西松建設、れんたま(東京都町田市、石居健二社長)、タグチ工業(福岡市、田口一生社長)は、ダムのかさ上げなどで主に人力によって行われていた下流面はつりを機械化・効率化するシステムを開発した。コンクリートを均一な深さで切削できる装置を切削機の先端に装備し、遠隔操作でダム下流面を上昇させることで、安全・効率的なはつり作業を行うことが可能となる。今後、連続的なはつり面が一定以上確保できるダムを対象として活用していく予定だ。
特長として、提案している掘削機は幅300mmで切削深さを120mmまで調整可能だ。切削機は構造上一方向のみの切削なので、切削機を180度回転できる機構を使って往復で切削幅0.6mのはつり作業ができるようにしている。スライド用フレーム内では、切削機の1往復で2m切削する。装置の横移動を極力少なくするために、スライド用フレーム自体も左右に移動させて、1カ所の切削作業で切削長さ6mを確保した。
切削作業、装置の移動は各種センサー、監視用カメラの情報を基にオペレーターが遠隔操作で行うので、安全性が確保されている。
主な効果として、人力のはつり作業に比べて3倍以上(西松建設実績)のはつり効果があり、機械はつりなので熟練工を必要としない。均一な深さで浮きやはく離のない仕上げが可能だ。また、遠隔操作のため切削個所に人が立ち入らず安全作業ができる。
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