【作品賞に2件選定】日本建築構造技術者協会「第31回JSCA賞」18作の中から選ばれたのは? | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

公式ブログ

【作品賞に2件選定】日本建築構造技術者協会「第31回JSCA賞」18作の中から選ばれたのは?

 日本建築構造技術者協会(JSCA、常木康弘会長)は、第31回JSCA賞の受賞者を発表した。作品賞には『日本リーテック総合研修センター』を手掛けた新谷耕平氏(日建設計)と、『NIPPO本社ビル』の中村伸氏(日本設計)、新人賞に『ショウナイホテル スイデンテラス/キッズドーム ソライ』の江村哲哉氏(Arup)がそれぞれ選ばれた。業績賞は「東日本大震災後の構造技術者としての支援・教宣活動」で加藤重信氏(建築構造センター東北事務所長)に決まった。奨励賞は該当なしとした。例年、総会後に行っていた受賞者記念講演会は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から延期し、年明け以降の開催を想定している。

新谷氏

中村氏


 日本リーテック総合研修センターは、平面中央にある3層吹き抜けのアトリウムが「ケーブル吊り構造とハーフプレキャスト(PCa)合成スラブを組み合わせた斬新な構造」となっていることが最大の特徴。「建築計画と環境計画、構造計画がうまく融合した」建築としての質の高さとともに、「ローコスト・短工期にもかかわらず、コンセプトが見事なまでに具現化されており、そのプロセスにおける新谷氏の優れた思考力・判断力・創造力を認めることができた」と評価している。

 NIPPO本社ビルは、高速道路や人工地盤上の公園などさまざまなインフラが立体的に結束する位置に建設された透明感ある開かれたオフィスビル。中村氏による1枚のイメージスケッチからスタートした上部構造の架構計画は、「エンジニアリングに関するアイデアと構造システムが建築計画や設備計画と融合している」とし、特に「中村氏の熱意が施主や建築家に良い影響を与えることで、質の高い建築づくりにつながった」としている。

 今回は、作品部門に18件の応募があり、書類審査の結果、8件を現地審査対象とした。奨励賞は該当なし、業績部門には5件の応募があり、2件をヒアリング対象とした。

 受賞作品の概要は次のとおり((1)所在地(2)建築主(3)設計者(4)施工者(5)構造規模(6)用途)。

 〈作品賞〉日本リーテック総合研修センター=(1)茨城県取手市ゆめみ野4-2-1(2)日本リーテック(3)日建設計(4)東鉄工業(5)RC一部S造(屋根・ケーブル構造)地下1階地上2階建て延べ7438㎡(6)寄宿舎・その他(研修所)

日本リーテック総合研修センター内観 (撮影:新谷耕平)


 ▽NIPPO本社ビル=(1)東京都中央区京橋1-19-10(2)NIPPO(3)日本設計、NIPPO(4)NIPPO・大日本土木JV(PC工事・オリエンタル白石)(5)PC・RC造(免震構造)地下1階地上10階建て延べ5397㎡(6)事務所

NIPPO本社ビル (撮影:川澄・小林研二写真事務所)

 〈新人賞〉ショウナイホテル スイデンテラス/キッズドーム ソライ=(1)山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1、6-1(2)ヤマガタデザイン(3)坂茂建築設計、構造設計Arup(4)サイエンスパーク特定JV(5)RC+S+木造地下1階地上2階建て延べ9087㎡/同地下1階地上平屋建て延べ2096㎡(6)ホテル/保育所・体育館

ショウナイホテル スイデンテラス/キッズドーム ソライ (撮影:Hiroyuki Hirai)