【災害時の感染症対策】大気社 避難所用個室タイプシェルター「バリアーキューブ」を発売 | 建設通信新聞Digital

4月20日 土曜日

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【災害時の感染症対策】大気社 避難所用個室タイプシェルター「バリアーキューブ」を発売

 大気社は、災害時の緊急避難所用に新型コロナウイルスの感染リスクを低減できるシェルター「バリアーキューブ」を開発し、1日から販売を始めた。密になりやすい災害時避難所で高いプライベート性を確保しながら、ウイルス感染リスクを低減する。今後、自治体に提案するとともに「企業のBCP(事業継続計画)対策としての需要もある」(同社)とみている。

 人が多く密集しやすい避難所は、プライベート空間の確保とともに、新型コロナ感染リスク低減が重要な課題になっている。これまでの避難所用シェルターは、カーテンやダンボールで間仕切りを設けるタイプが一般的だった。開発したシェルターは、よりプライベート性の高い完全個室タイプを採用し、シェルター内部空気の高い清浄度を維持することで、感染リスクを低減している。

 清浄度を維持する仕組みとして、給気ファン付HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter、高い空気清浄能を持つ超高性能フィルター)を備えた。完全個室型であることから、室圧をプラス圧に保ち、フィルターを設けた給気口以外からの外気侵入を防ぐことでウイルス感染リスクを減らす性能を持たせた。

 排気口にも外部の清浄度を保つためのフィルターを設け、個々のシェルターでの空気ろ過を通じて、シェルターを設置する建屋空間全体の空気もろ過する効果もある。

 構造体はプラスチック段ボール製の組み立て式。2人で組立作業する場合は、1シェルター当たり約3分で設営できる。プラスチック段ボールは高い耐久性、耐薬性、耐水性を持ち、繰り返し使え、表面に除菌スプレーをかけるなどの除菌処理ができる性能もある。採光性も高いという。

 室内には、折り畳み式で簡単に収納できるベッドを設置。ベッド下が収納スペースとなる。AC110ボルトコンセントとUSBポートが付いたポータブルバッテリーを置き、夏は扇風機、冬には電気ヒーターを設置できる。スマートフォンなどの充電も可能だ。収容人数は、大人1人での利用が標準。ベッドサイズの変更で大人2人と小さい子ども1人が同室利用できる。

 外観サイズは幅1700mm×長さ2100mm×高さ1910mm。価格(税別)は、組み立て式シェルター本体が約10万円、給気ファン付HEPAフィルターと充電式バッテリーも合わせて約10万円。

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