【本】「長持ちするインフラ」は管理・新設の連携という"革命" 『新設コンクリート革命』熱血ドボ研2030著 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【本】「長持ちするインフラ」は管理・新設の連携という“革命” 『新設コンクリート革命』熱血ドボ研2030著

 山口県発祥の「よいコンクリート構造物を造る」パラダイムシフトが、旺盛な復興需要に支えられた東北仕様にカスタマイズされ、『新設コンクリート革命』を起こした。
 本書は、よいコンクリートはどうつくられたかの原点を見つめ直すことで、結果的に「長持ちするインフラの作り方」に迫った軌跡を描いた。
 東北の過酷な環境の象徴は、繰り返す凍結融解と凍結防止剤の散布による劣化だ。従来方法でつくり続ければ、復興のための構造物なのに、維持管理で後世に負担を強いる。早期復興を目指しながら、同時に品質・耐久性を満たす必要に迫られた。
 目にとまったのが、山口方式と呼ぶ産官学の取り組みだった。ひび割れは設計、材料、施工が絡み合って発生する。「施工状況把握チェックシート」「コンクリート打設管理記録」をデータベース化したことで、問題点が可視化した。
 巻末の座談会で、維持管理の知見を新設にフィードバックできていなかった要因が、実は組織内の縦割りにあったことが明らかになる。
(日経BP社、3400円+税)

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