【診察時の感染リスク削減】新日本空調・日進技研 飛沫感染防止システム展開へ機器を開発 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【診察時の感染リスク削減】新日本空調・日進技研 飛沫感染防止システム展開へ機器を開発

 新日本空調と日進技研(東京都千代田区、中嶋貴輔社長)は、新型コロナウイルス飛沫感染防止対策を目的に、ダクト接続型「可搬式抗菌フィルターユニット」と「自立型感染防止フード」を開発し、「感染症患者診察時の飛沫感染防止システム」への展開を実現した。医療現場を含むあらゆる施設での利用が可能なシステムで、既に受注が確定し2020年中の納入に向けて詳細の調整と機器の製作が進められている。

感染症患者診察時の飛沫感染防止システム概要


 新日本空調の原子力事業部は、従来から避難施設向け新型換気システムの開発に取り組んでいた。そこに抗菌フィルター利用による医療現場への適用性を加味することで、空気清浄により感染拡大の要因の1つである飛沫感染を効率的に削減する新たなシステムとして完成させた。

 可搬式抗菌フィルターユニットは、低騒音ファン、プレフィルター、抗菌HEPAフィルター、操作盤で構成する小型のフィルターユニットで、本体に設置したキャスターで容易に移動できる。抗菌HEPAフィルターとは、ガラス繊維濾材に溶菌酵素を添着したもので、ウイルスの不活化、細菌類に対する滅菌効果がある。

 自立型感染防止フードは患者の頭部を覆い排気を担うフードと取付台座および移動式架台で構成し、取付台座背面にある操作ハンドルでフードの高さ変更が可能となっている。

 これらをダクトで接続し、フードから排気することで患者からの飛沫による医師、看護師の感染リスクを低減するのが今回開発した「飛沫感染防止システム」となる。飛沫が含まれたフードから汚染された空気は、抗菌HEPAフィルターを組み込んだ可搬式抗菌フィルターユニットにより確実にろ過される。ろ過された空気は室外に排気することで、患者のいる室内は陰圧に保たれ、周囲の部屋への空気の漏洩が防止できる。また、ろ過された空気を室内に循環することで、空気清浄機としても利用できる。

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