【新日本空調】SDGsで福島復興支援プロジェクト 旧作業服を植物栽培用媒地にリサイクル | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【新日本空調】SDGsで福島復興支援プロジェクト 旧作業服を植物栽培用媒地にリサイクル

 新日本空調は、「“オール近大”川俣町復興支援プロジェクト」の一環で、近畿大学、アースコンシャス(徳島市、青山恭久社長)と共同で、廃棄予定だった旧作業服を加工して植物栽培用の「ポリエステル媒地」にリサイクルし、福島県川俣町の花き農家に提供することを通じて復興支援に貢献している。ポリエステル媒地は同町のアンスリウム栽培ハウスで活用、「二酸化炭素施肥制御技術」を開発し、土壌汚染にとらわれない農業の継続による、農家の安定化にも取り組んでいる。

ポリエステル媒地を使った卓上サイズの植物ポット。社内で植物を育成

 こうした技術開発や業務の生産性向上の活動を推進することで、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを社内に根付かせ、企業価値の向上につなげる。
 近畿大学は2013年に川俣町にビニールハウスを設置し、ポリエステル媒地を使うアンスリウム栽培の支援と研究を進めている。また、地元ではポリエステル媒地活用推進組合が立ち上げられ、アンスリウムの生産に向け活動中だ。
 同社は19年4月に作業服をリニューアル。これに伴い廃棄予定だった旧作業服約2500着を回収し、近大の学生がファスナーやボタンを取り外し、アースコンシャスがポリエステル媒地を製造して、アンスリウム栽培農家に提供した。
 古着を植物栽培用の媒地として再利用することから、土壌汚染の被害がなく、永続的に使用できることが農業の継続と安定化につながる。また、古着のリサイクルによって、焼却時に発生するCO2を削減できる。
 同社は、近大とアースコンシャスとの共同研究で、川俣町のビニールハウス内で「二酸化炭素施肥制御技術」を開発。19年5月に特許を取得した。この技術は、アンスリウムなどの植物が成長するために必要なCO2濃度をコントロールすることで、植物の成長を促進させる。近大のビニールハウス内で検証し、外部環境の影響を受けない良好な環境での栽培を可能にすることで、アンスリウムの成長促進効果を確認している。栽培開始から1年後には、CO2施肥がない草高と比べ、CO2施肥がある草高の伸長率は14%アップした。
 同社は、オフィス環境のウエルネスとSDGsを社内に根付かせる試みとして、ポリエステル媒地を使った30個超の卓上サイズの植物ポットをつくり、本社や全国各拠点で植物を育成している。

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