【あらゆる過程を可視化】クラウド型貨物監視システム「TrecView Cloud」21年サービス開始 | 建設通信新聞Digital

5月8日 水曜日

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【あらゆる過程を可視化】クラウド型貨物監視システム「TrecView Cloud」21年サービス開始

 応用地質と神栄グループの神栄テクノロジー(神戸市、岸本勝社長)は、輸送中の貨物に関する各種情報(日時、位置、温度、湿度、振動)をモニタリングし、異常発生のリアルタイム通知や輸送状態のレポートを自動作成する機能を持つ、クラウド型輸送貨物監視システム「TrecView Cloud」を開発した。2021年1月からサービス提供を開始する。今後拡大が予想される物流管理市場に向けて展開し、物流品質の向上に貢献する。

TrecView Cloud管理画面例


 物流ロス削減や物品の破損防止、品質管理などを目的に、あらゆる商品・製品の物流過程を可視化し、 記録・管理する取り組みが物流市場で一般化しつつあり、要求基準も各種規格化が進む一方、 従来運用されてきた一般的な物流計測システムでは、システム本体や専用通信端末の購入費用が高額で、 運用手順も煩雑などといった課題があった。

 「TrecView Cloud」は、神栄テクノロジーが新たに開発し製造・販売する各種センサーと通信機能を内蔵した高精度で低価格な小型輸送記録計「TrecView」と、 応用地質が開発し豊富な実績を有する高機能な地理情報システム「MAGIS」を組み合わせたクラウド型輸送貨物監視システム。価格面での導入しやすさと使い勝手の良さに加え、 リアルタイムでの輸送監視を可能にした点が大きな特長となる。

 例えば、振動や衝撃に弱い精密機械の輸送監視では、 紙に記録する機械式記録計や、輸送完了後にUSBでパソコンに接続し専用ソフトウェアでデータを抽出する電子式記録計が用いられているが、 これらの方法では輸送を完了するまで貨物の損傷などを確認できず、 結果の報告書も手動で事後作成する必要があった。

 「TrecView Cloud」は、貨物側に設置されるTrecViewでセンサー情報(振動、温度、湿度)を記録。運転席側に設置したスマートフォンではGPS(全地球測位システム)の位置情報を記録する。このときTrecViewが危険な振動を検知した場合、スマートフォンへ迅速に異常を通知できるため、運転手はその場で対応を判断できる。輸送終了後、TrecViewの全記録データと、スマートフォンに記録された位置情報をサーバーに転送すると、調査報告書が自動作成されるため、担当者の作業負担が大幅に軽減されるほか、データの改ざん防止にもつながり、信頼性の高い輸送サービスを提供できる。輸送後に記録データを確認する通常計測モードでも使用でき、運用面を大きく変更せず容易に導入可能なことも特長の1つだ。

 TrecViewは、クラウドサービス提供に先立ち、11月から神栄テクノロジーがサンプル出荷の開始を予定している。

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