【雪氷対策作業の課題克服へ】NEXCO東日本 「みちびき」と連動しロータリー除雪車を自動化 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【雪氷対策作業の課題克服へ】NEXCO東日本 「みちびき」と連動しロータリー除雪車を自動化

 NEXCO東日本は25日、北海道夕張市のテストフィールドでロータリー除雪車の自動運転を報道機関に公開した。高精度の測位情報を配信する準天頂衛星「みちびき」によるGPS(全地球測位システム)を活用して、熟練作業員の不足や労働人口の減少に直面する雪氷対策作業の課題克服に取り組む。2022年度にも完成する見通しだ。

白線に沿って曲がる除雪車


 同社北海道支社の市川敦史技術部長は「NEXCO東日本にとって、雪道の安全安心は重要課題だ。『雪氷対策をいかに効率的に省力化できるか』を第一と考え、ロータリー除雪車の自動化を進めていく」と力を込めた。

 準天頂衛星からの信号と高精度地図情報を組み合わせた運転支援システム(ガイダンスモニター)、除雪車の作業制御装置を連動し、自律走行や作業操作を自動化する計画だ。吹雪や積雪で白線やガードレールなどの構造物が見えない状況でも、それらの位置情報を認識して自動で運転・除雪作業ができる。

 路肩と走行車線を分離する白線の幅は20cm。通常のGPSのみの場合は数十mの誤差が生じるため、除雪車が走行車線にはみ出してしまう可能性がある。準天頂衛星とGPS衛星を組み合わせることで、誤差数cmまで測位精度の向上を見込む。

 同社は17年に除雪車運転支援システムを開発、19年から北海道大大学院の野口伸教授の協力のもと、ロータリー除雪車の自動化に向けて開発を進めている。今後は実際の雪道で自立走行や作業操作の自動化試験に取り組む。

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