【オペレーターの負担軽減】北陸整備局技術事務所 除雪車のフロントプラウなど操作を自動化 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【オペレーターの負担軽減】北陸整備局技術事務所 除雪車のフロントプラウなど操作を自動化

 北陸地方整備局北陸技術事務所は、除雪車のフロントプラウとグレーダー装置操作の自動化を進めている。技能が求められる複雑な操作を自動制御し、オペレーターの負担軽減や安全性の確保につなげる。除雪車の操作を簡易にすることで、担い手確保や熟練者の技能伝承といった課題解決を目指す。

 フロントプラウは角度を付けることで雪を路肩に寄せるが、交差点進入時は雪を残さず抱え込むように角度を抑える。グレーダー装置はバス停など道路幅が広くなる個所で伸ばして除雪し、通過後は縮小する。

 通常はいずれもオペレーターが除雪車を運転しながら操作するが、複雑な操作で技能が求められる。そのため、同事務所はフロントプラウの進行角の調整とグレーダー装置の左右伸縮の自動化に取り組んでいる。

 自動制御に向けてはMMS(モービル・マッピング・システム)で計測した地図データから、バス停やマンホール、電柱位置など除雪作業に必要となる詳細なデータを抜き出し、除雪作業用の地図を作成した上で、準天頂衛星システム「みちびき」で除雪車の位置情報を取得。そのデータを基に除雪車に搭載した制御用タブレットから制御ユニットに信号を出力し、フロントプラウとグレーダー装置の操作を自動化している。

 開発に当たっては熟練オペレーターの運転技術を収集。運転中の操作状況を撮影し、各作業装置を操作する位置やタイミングなど抽出したデータを除雪作業用の地図データに盛り込んだ。

 2月25日には新潟県長岡市の国営越後丘陵公園事務所で、自動制御のデモンストレーションを実施。同局や長岡市役所、NEXCO東日本、除雪作業受注者など14人が参加した。

 同事務所は2019年度にサイドシャッターの自動制御を実現。今冬は新潟国道事務所と長岡国道事務所の一部区間で試験的に導入した。21年度は橋梁のジョイント部分やマンホールの通過時に必要となるフロントプラウとグレーダー装置の上下操作の自動化に取り組む。



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