首都高速道路会社は、安全・安心を支える点検や補修技術を体験できる場を積極的に提供している。次世代を担う若者に興味を持ってもらうことで就職先の選択肢にしてほしいほか、道路利用者への理解促進が狙いだ。同社は24日、東京都江東区の辰巳補修基地で「首都高点検・補修デモ2019」を開催した。土木工学を専攻する大学生33人のほか、今回から初めて募集した一般の部15人が参加した。
臼井課長は、点検・補修技術を飛躍的に向上させた技術として、「3次元点群データが取得できるMMS(モービル・マッピング・システム)や、事務所にいながら巡回点検を補助できるインフラパトロール」を挙げた。今後の課題は「ドローンを活用した技術研究」という。
デモ当日は、横締めPCグラウト充填調査やハンドヘルド蛍光X線分析などのコンクリート非破壊検査や、高所作業車による橋梁近接点検などを体験した。
会場には点検車両も展示。首都高は都市型高速道路として、急な勾配が多いのが特徴。これに対応するために設計・開発したのが「ジェットファン点検車」だ。床が自動拡張するため十分な作業スペースが確保でき、点検以外にも設置作業が効率化するという。このほか、インフラパトロールやMMSなどの点検試験車両、水噴霧点検車といったトンネル点検車両が並んだ。
点検・補修デモは、「首都高安全月間」(5月13日-6月11日)活動の一環として実施、今回で12回目となる。