【日建連】初IoT・実証フィールド報告会で参加8社が成果発表 現場ニーズを踏まえ製品・技術の改良へ | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【日建連】初IoT・実証フィールド報告会で参加8社が成果発表 現場ニーズを踏まえ製品・技術の改良へ

 日本建設業連合会(山内隆司会長)は18日、IoT(モノのインターネット)活用による土木工事の安全性、効率性向上を目指し、関連製品・技術の開発企業に提供している実証フィールド(神奈川県厚木市)で報告会を開いた。フィールドで実証に取り組んだ8社が成果や課題などを発表し、実現場で得た貴重なデータを生かした製品・技術の改良や新たな現場ニーズの発掘について手応えを口にした。

実証フィールドでMMSの説明を受ける参加者

 日建連がIoTに関連して実証フィールドを提供するのは初の試み。フィールドは戸田建設が施工している土地区画整理事業の現場で、2017年2月から提供を開始。バイタルサインを感知する機器を内蔵した衣服の開発を手掛けるアパレルメーカーやサプリメントを開発するメーカーなど、幅広い分野の15社がフィールドを活用した。
 フィールドの提供は、土木工事向けの製品や技術を実際の作業で試験的に活用することで、現場のニーズを踏まえた改良などにつなげるのが狙い。実現場でのテストを通じて、施工の効率化や現場環境の改善に役立つ製品、技術の開発を促す。
 報告会の冒頭、土木工事技術委員会土木情報技術部会の今石尚部会長は「ものすごい勢いでi-Constructionの取り組みが進んでいる。われわれも生産性の向上などを目指してIoT活用をさらに進めていければと思っている」とあいさつした。
 情報利用技術専門部会の佐藤郁部会長による実証フィールドの目的などの説明に続き、戸田建設の末永光秀所長が、「今回の取り組みで現場環境が改善され、生産性向上につながることを期待するとともに、さらに進化していくことを願っている。今後も引き続きできる限り協力していきたい」と述べた。
 続いて、実証に取り組んだ各社が成果などを報告。暑熱環境下での作業リスク管理をサポートするシステムを実証したクラボウは、現場で得た生体情報を解析し、新たなアルゴリズムの構築に反映している。携帯型心電計を現場で活用したユニオンツールは、「健康管理ツールとして活用できることが分かった」と成果を報告した。
 発表企業と内容は次のとおり。
 ▽クラボウ=シャツ型バイタルセンサー▽ユニオンツール=携帯型心電計▽コーデック=傾斜センサー、呼吸センサー▽ドリコス=個別診断型サプリ供給▽JMACS=スマートグラス(遠隔作業支援)▽サイテックジャパン=建設分野におけるAR技術▽シナノケンシ=3Dスキャナー▽パスコ=UAV(無人航空機)、MMS(モービル・マッピング・システム)。

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