四国霊場70番札所で三豊市指定有形文化財・本山寺五重塔(香川県三豊市)の解体・保存修理建築工事「平成大修理」が完了したことから、檀家や関係者らを招いて現地で竣工行事が催された。12日に本山寺五重塔整備委員会(多田善昭委員長)による報告会があったほか、13日には竣工式と内覧会が行われた。建築界を代表するメンバーによる委員会が調査と議論を重ねながら進め、その建築価値を次代へと伝えようとした奮闘が結実した。
また、岡田恒男顧問(日本建築防災協会顧問・東大名誉教授)が「各委員、関係者にお礼を言いたい。(全員が)合格の仕事をしていただいた」と総括した。13日は竣工式後に山下昭史三豊市長らが祝辞を寄せた。
本山寺五重塔は四国霊場に4基しかない五重塔のうちの1つで、高さ31.75m。明治期に建立され、建築的・文化的に価値の高い木造建築物として知られている。「平成大修理」では鉛直荷重対策、耐震対策、心柱補強策、重量箱補強策、大型台風対策が施された。工期は2015年9月から19年1月まで。設計監理は多田善昭建築設計事務所、山田憲明構造設計事務所、ZO設計室、施工は伸和建設が担当した。