【九州自動車道】すべての高速道路が4車線復旧完了! 復旧のノウハウ次世代につなぐ | 建設通信新聞Digital

5月2日 木曜日

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【九州自動車道】すべての高速道路が4車線復旧完了! 復旧のノウハウ次世代につなぐ

木山川橋(橋台部)の路面復旧状況

 西日本高速道路九州支社は4月28日の九州自動車道4車線開放を控え、支社会議室で熊本地震発生直後から復旧完了までの経過を説明した。現地で陣頭指揮を執った福永靖雄保全サービス事業部長は、「昨年4月29日に暫定2車線で供用したが、渋滞が続いていた。高速道路は観光や物流に大きな影響を与えるため、ゴールデンウィーク前に4車線開放できるよう頑張ってきた」と話した。
 益城熊本空港IC(インターチェンジ)~松橋ICの約17㎞は、対面間欠運用による暫定2車線で、最高速度50㎞の速度規制をしていた。規制解除によって、熊本地震で被害を受けた高速道路はすべて4車線で復旧が完了した。2016年4月14日の前震からの延べ労働者数は約7万3000人に及ぶという。

盛土のり面崩落箇所(益城バスストップ付近)

 熊本地震による被害の特徴について、福永部長は「下部工の耐震補強を進めていたが、ロッキング橋脚の損傷が激しい。支承の損傷も見られ、木山川橋では橋桁が大きく曲がった」ことを挙げた。このため、今後は九州全域で橋梁のロッキング橋脚や支承の耐震補強を順次進める。
 また、震度4以上の余震が16年10月末までに139回あり、「木山川橋では落橋防止のベント設置時に避難と点検を繰り返しながら作業を進めた」と話した。発災直後の被害状況の確認では、「車での移動は危険なので、懐中電灯を持って歩いて点検した」という。
 最後に復旧工事を振り返り、「阪神・淡路大震災や東日本大震災からの復旧のノウハウが生かされた。熊本地震で得た知見も加えて次世代に復旧のノウハウを伝えることが大事」と話した。

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