【実際の橋梁を疑似体験】建設技術研究所 橋梁点検技術習得のためのVR研修ツールを開発 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【実際の橋梁を疑似体験】建設技術研究所 橋梁点検技術習得のためのVR研修ツールを開発

 建設技術研究所は、VR(仮想現実)を使って橋梁定期点検を疑似体験し、橋梁点検に必要な基礎技術を習得するための研修ツールを開発した。VR制作のスタートアップ、エドガ(東京都江戸川区、米本大河社長)の協力を得て、代表的な橋梁形式である鋼鈑桁橋を対象に開発したもので、2020年度は社内研修に導入した。今後、さらに開発を進め、コンクリート橋など他の橋梁形式やトンネルなどのコンテンツを充実させて、社内だけでなく地方自治体職員や海外の維持管理技術者の育成などにも活用を広げていく予定だ。

点検前に橋梁の基本情報を確認


 同社は、土木構造物の維持管理業務に必要な基礎技術の習得を目的に、若手技術者向けの現場研修を毎年実施しているが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、新しい形式の研修が必要として、VRにより橋梁の定期点検を疑似体験し、クイズ形式で点検のポイントを学習できる研修ツールを開発。東京、大阪、福岡の各事業所での社内研修に活用した。

 この研修ツールはVRヘッドセットを使って、実際の橋梁を撮影した360度画像内の任意の位置に移動しながら10個の代表的な損傷を見つけていく。発見後、損傷個所をクリックすると損傷に関するクイズが出題され、点検時のポイントを学習できる。あわせて橋梁諸元や図面などの点検に必要な基本情報も確認でき、疑似点検後には点検時間やクイズの成績を表示することで学習意欲を喚起する。

 同社は21年度以降、コンクリート橋やトンネルなどのVR研修コンテンツを充実させ、地方自治体職員や地域コンサルタント向けに実施している現地点検講習業務に活用するほか、23年度以降には海外の維持管理技術者向けVR研修コンテンツの作成・販売も予定している。また、橋梁などの点検作業員向けの安全教育用VR研修コンテンツも順次作成していく考えだ。

VR研修ツールによる点検の疑似体験



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