【BIM2021】JR東日本ビルテック 数年後の本格導入へ向け"維持管理BIM"を深度化 | 建設通信新聞Digital

5月3日 金曜日

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【BIM2021】JR東日本ビルテック 数年後の本格導入へ向け”維持管理BIM”を深度化

 JR東日本の建物・設備を管理するJR東日本ビルテックは、「維持管理BIM」の開始に向けて検討を本格化した。2019年にさいたま市に開設した新研修センターFMTEC(エフエムテック)をBIMでモデリングし、維持管理に必要な形状や属性情報などについて基礎検討を実施した。数年後に実際の建物に導入することを想定し、21年度はより具体的な検討を進め、維持管理BIMを深度化する。

FMTECで作成した設備ビューモデル


 20年度に実施した基礎検討では、建物を管理する社員にヒアリングし、建築、機械、電気、通信の4系統を対象に、管理する部材や設備、機器をリスト化し、それぞれに必要なBIMの属性情報のパラメーターなどを検討した。

 すべてに共通して必要とされた財産区分と保守区分については、社員が視覚的に管理しやすいよう専用の3次元ビューを作成した。財産モデルを色分けし、JR東日本、駅ビル、自治体など系統別にどこが所有しているか一目で分かるようにした。

 またBIMで管理する項目として、建築は壁や屋根の塗料、ドアなどのメーカー、機械は設置年日、機械番号、型式、電気通信は製造年月日、製造番号、用途、方式、容量など、必要な属性情報を抽出した。

 3次元モデルビューの検討では、系統ごとにモデル情報や形状などのテーマ別に41ビューを作成した。数量計算を行う集計表もシャッターや自動ドアなど利用頻度の高い27種を抽出した。

 一方、ハイライト機能では、給排水やダクトなどはルート全体をピックアップさせる。漏水時に機能を使えば当該ルートがすべてハイライト表示されるため、バルブの位置などが明確になり、閉栓作業などが効率化される。
 これらのデータを維持管理BIMとして、施工段階から調整し、提供してもらう考えだ。

 また、JR東日本ビルテックは竣工図を財産図に修正する業務を受託している。その財産図更新業務をBIMで実施できるか検証し、問題なく実施できることも確認した。
 今後は、実際の建物でのFM運用を見越し、検討を深度化していく。



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