【BIM2021】BSIグループジャパン 国際基準のBIM認証を提供 | 建設通信新聞Digital

5月15日 水曜日

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【BIM2021】BSIグループジャパン 国際基準のBIM認証を提供

 日本でのBIM活用が進む中、企業や組織のBIM成熟度を客観的に評価するニーズが増えている。世界初の英国公共事業のBIM標準化の際に、規格策定を支援した英国規格協会(BSI)は、ISOに基づく「BIM Kitemark」(カイトマーク)認証を提供している。日本法人のBSIグループジャパン(横浜市、根本英雄社長)はBIMカイトマークの認証サービスを本格化しており、BIMの取り組みを具体的に評価する国内唯一の認証として注目されている。

カイトマーク


 BSIは、国家規格策定団体として1世紀以上の歴史を持ち、古くは電車の軌道から、現在はAIやIOTまで幅広い製品やサービスの規格化に貢献してきた。日本国内でも企業の製品・サービスの公開仕様書(PAS)やISOの規格化、認証などを支援してきた実績がある。

 BIMカイトマーク認証を提供することで、ISO19650シリーズに準拠する「BIMレベル2」相当の実施能力を証明する。世界初案件はドバイ国際博覧会の鉄道線路延長プロジェクトで、ドバイ道路交通局がBIMカイトマーク認証を取得した。最大15%のコスト削減、平均15%の時間節約を実現している。

 日本でも大和ハウス工業が設計と建設のためのカイトマークを2月に取得した。ISO19650-1、2を満たす世界基準のBIMと効率化したサプライチェーンの管理などを提供する高い能力と信頼性を国内外の発注者に証明できる。

 現在も大手ゼネコンやディベロッパーなどのBIMカイトマーク認証の引き合いが増えている。根本英雄社長は「国土交通省のBIM/CIM原則化もあり、サプライチェーン全体をBIM化する動きも加速している」と実感する。

 日本ではBIMの実施能力を評価する指標が普及していないため、国際基準で証明できるBIMカイトマークが存在感を高めている。同社は規格化やトレーニングなどの支援の充実を図る。また認証全体の信頼性を高めるため、BSIは各種BIM認証サービスを英国認定機関(UKAS)から認定を受けるべく調整している。

BSI(英国規格協会)のBIM関連サービス


 現在はBIMの基本的規格であるISO19650-1、2の認証が主流だが、海外では資産運用フェーズのISO19650-3、情報管理セキュリティーフェーズのISO19650-5に認証のトレンドが移行しつつあり、日本での対応も進める。



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