清水建設は、まちづくり計画支援サービス「マチミル」を地方自治体やまちづくり組織を対象に展開する。データに基づく分析や複数の仮説の迅速な検証、分かりやすいビジュアルを提供することで、地域の課題やまちづくり計画の効果を明らかにして関係者間の議論と合意形成を促し、多様な関係者が参画した質の高いエリアマネジメントを実現する。
マチミルは、各種オープンデータと地理情報システム(GIS)により人やモノの動きを可視化し、地域の防災・省エネルギーやエリアマネジメントの分析などまちづくり計画の支援につながる情報を提供するサービス。分析や検証には自社開発の公共施設・インフラ統合評価システム「パブリック・アセット・シミュレーター(PAS)」をGISに統合したシミュレーションシステムを活用する。特定の地点から目的地へのアクセス距離・所要時間や道路上の交通量などを評価できるPASの機能を使って、都市空間の人の動きや交通の面から地域の魅力や課題を捉える。
魅力や課題は「インクルーシブ」「レジリエント」「サステナブル」の3分野に分けて評価する。歩きやすさや生活利便性、災害時の避難ルートの安全性や避難施設の収容人数、地域の緑の連続性や生物多様性といった多様な分析を組み合わせることで、地域特有の魅力や課題に合わせたまちづくり計画のサポートに役立てられる。
昨年末に豊洲スマートシティ推進協議会が主催した社会実験「明日の危機-首都直下地震編-」では、マチミルの一環として、首都直下地震時の江東区民の避難ルートの安全性を検証を実施。参加者から高い評価を受け、社会実験の目玉となった。