【TOTOギャラリー・間がアンサンブル・スタジオ展】実験、アナログ施工方法考案 | 建設通信新聞Digital

4月30日 火曜日

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【TOTOギャラリー・間がアンサンブル・スタジオ展】実験、アナログ施工方法考案

 建築デザインに加えて、実験とアナログな施工方法の考案で、「ランドスケープの構造体」など革新的な建築を生み出し続けているスペインの職能横断型建築設計事務所、アンサンブル・スタジオの日本初の展覧会が、東京都港区のTOTOギャラリー・間で始まった。テーマは「Architecture of The Earth(大地の建築)」。地球と建築の関係性の探求から生まれたプロジェクトに焦点を当て、同事務所独自のリサーチ・設計・建設の過程を模型や映像を使って紹介している。



 アンサンブル・スタジオは、建築家のアントン・ガルシア=アブリルとデボラ・メサが主宰する職能横断型チームで、2000年にスペインのマドリードで設立された。スペインと米国を拠点に活動を続けている。ランドスケープの構築から住宅のプレファブリケーションなど多様な課題に取り組んでいることから、タイポロジー、技術、方法論を刷新し続けている。

 近年は、よりダイナミズムが増した。16年に米国モンタナ州にあるティペット・ライズ・アート・センターで発表した一連の「ランドスケープの構造体」は、地球規模で自然と響き合うような力強い造形に国内外から注目が集まった。それは、先史時代の遺跡を思わせる屋外彫刻のような構築物で、大地を型枠に利用しつつ、現代の技術をベースにモックアップによる検証、コンピューターを使ったモデリングなど、複雑な構造計算と建設プロセスを経て完成したという。
 3階の室内には、ランドスケープの構造体のうち実現した「裏返された門」の映像や実験段階のコンセプトモデル、中庭に「ランドスケープの塔」として「溶解する塔」などリサーチの模型ほかを展示。4階は、スペイン・メノルカ島の「カン・テラ(大地の家)」などの施工過程を映像で紹介している。

 展覧会にあわせてアンサンブルスタジオによるオンライン講演会を予定している。 日時は決まり次第ウェブサイトで公表する。会期は9月12日まで。展覧会は事前予約制でウェブサイトから申し込む。入場無料。



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