【中銀カプセルタワー】NFTにより現実、メタバース空間で再現可能 LAETOLIと黒川設計事務所 | 建設通信新聞Digital

5月16日 木曜日

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【中銀カプセルタワー】NFTにより現実、メタバース空間で再現可能 LAETOLIと黒川設計事務所


 不動産クラウドファンディングサービス「COZUCHI」を運営するLAETOLI(東京都港区、武藤弥代表取締役)と黒川紀章建築都市設計事務所(千代田区、下條哲成代表取締役)は、現在解体が進む中銀カプセルタワービルを世界で初めてNFT(非代替性トークン)を活用することでリアル空間とメタバース空間の双方で再現する事業に取り組む。

 建築家黒川紀章が提唱したメタボリズムを代表する建築として知られる中銀カプセルタワーは4月から解体が進められている。両社は1月にデジタル空間での保存に関する協定を結び、デジタル技術やブロックチェーンを活用してリアル空間とメタバース空間での再現を目指して協議を進めてきた。

 ブロックチェーンを使ってコピーできないデジタルデータを作成できるNFTを活用した事業として、黒川設計事務所が著作権を所有する建築図面に基づき、3DCADデータを作成。このデータに基づき、リアル空間で中銀カプセルタワーを建設、利用、販売などができる権利を世界で唯一、1エディション販売する。NFT自体は2エディション発行し、一つは黒川設計事務所が所有する。

 メタバース空間では黒川設計事務所が著作権を所有する建築図面に基づき、中銀カプセルタワー全体をデジタルアートとして再現、これを所有、利用、販売などができる権利をNFTとして、世界で唯一、1エディション販売する。

 いずれも世界で唯一の作品を世界でただ一人(1社)利用できる権利となり、さまざまな事業を独占的に行うことができる可能性がある。

 具体的には、3DCADデータを使ってデベロッパーやゼネコンがリアル空間で中銀カプセルタワーを建設し、賃貸したり販売できる。黒川設計事務所が必要な協力を行うことで世界各国の法規制に合わせて再建することも可能だ。3DCADデータは自由に使えるため、カプセルを災害被災地に輸送して仮設住宅に利用したり移動するリゾート事業などさまざまな事業を展開できるとしている。

 NFTは、世界最大級のNFTマーケットプレイスである「OpenSea」で販売する。オークション形式で販売スタート価格は未定。販売オークション開始は22日午後1時、終了は8月31日午後1時を予定している。


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