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5月17日 金曜日

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【プロトケアXOP、リペラー工法展開】コスト削減 美しく建材長持ち/キーストン

◆はつ油とはっ水を両立した浸透性塗料 

 キーストン(東京都墨田区、吉村常茂社長)が開発した高分子浸透性フッ素塗料「プロトケアXOP」と、それを使った「リペラー工法」が高い評価を得ている。プロトケアXOPは、吸水性があるタイルやコンクリート、石材などの無機系の建材に撥(はっ)水性、はつ油性をどちらも付加できる浸透性の高い塗料となる。

 プロトケアXOPの特徴として、長期的なはっ水性、はつ油性を持つことが挙げられる。紫外線の影響を抑制するため、10年以上の長期制御効果も持つ。食用油は壁や床に染み込まず、油性マーカーは水をつけて拭き取るだけで汚れが落ちるため、飲食店付近や地下鉄駅の床など、都内の大規模施設や公園、寺社などに採用実績を多く持つ。
 一度塗布すれば、基材が物理的に摩耗・損傷しない限り保護効果を持続し、メンテナンスコストの保全費や修繕費、清掃費を抑えることができ、ライフサイクルコストも抑制する。汚れを落とすために有機系の洗剤を使う必要はなく、SDGs(持続可能な開発目標)にも貢献する。雨水によるセルフクリーニング性もある。ランニングコストは、リペラー工法を施さない無処理の場合と比べて75%削減する。長期的に資産価値を保ち、建物を売却する際の減価償却価値を高める。
 塗膜でなく、建材の表面1-3mmほどまで薬品が浸透して表面を保護する。このため、外部からの水の浸入を防ぎ、内部からは水蒸気を放出する。剥がれにくく素材の劣化を防ぎ、意匠性を保持できる。

油性マーカーと食用油でプロトケアXOPを塗布した(左)、塗布していない建材の比較


 施工プロセスは、300㎡の場合、受注から工事完了まで15日間と短期間で済む。ローラーやはけを使って塗布するシンプルな施工で、通常は2回、落書き防止には3回の塗布が必要となる。

吉村社長


 同社は、はっ水性、はつ油性を持つ浸透性塗料の研究開発、建材の洗浄剤の開発、石材・コンクリート・タイルなどの汚染、劣化防止、施工を担い、プロトケアを使った「リペラー工法」を強みとしている。
 約25年前に市場に登場した浸透性のはっ水剤にははつ油機能がなく、耐汚染性に問題があり、紫外線の影響を受け耐久性に乏しい状況にあった。そこで、「約20年前に高分子浸透性フッ素ポリマーを独自に研究開発し、15年前にプロトケアを商品化した」と吉村社長は開発の経緯を話す。
 はっ水剤はシリコンでできているが、シリコンは紫外線に弱いという課題があった。そこで紫外線からの影響を受けず耐久性が高い物質としてフッ素を挙げた。一方、フッ素は素材に浸透しないといわれており、独自にフッ素を染み込ませる技術を開発した。この技術こそ「プロトケアXOPの開発の意義」と強調する。はつ油性を発現するためにもフッ素が大きなポイントとなり、「フッ素こそ建材を長持ちさせる秘訣だ」と話す。

油性マーカーが落ちる様子(左)、食用油が落ちる様子(右)


 今後は、プロトケアXOP、リペラー工法をさらに展開するため、各都道府県や各適用施設ごとにパートナーを設置する「パートナー制度」を確立する。同社の技術と商品を必要とする建築物のオーナーや管理会社に広範囲にサービスを提供できるシステムを構築する考えだ。
 マンションなどコンクリート系構造の共同住宅をはじめ、事務所や商業施設、公共施設、市場拡大が見込まれる改装や改修工事、維持管理修理工事への積極的な展開を見込み、設計事務所や管理会社などへの拡販を目指す。工法だけでなく、建材メーカーやゼネコン、管理会社への塗料だけの販売も検討している。
 また、無機系だけでなく、「木材など有機物に対応できる製品を開発したい」という。
 現在は、養殖マグロ漁に使う定置網に塗布して、網への藻の付着を防ぎ、養殖している魚がダメージを受けないようにする実験などを行っている。浸透性塗料の研究・開発・展開に「人生を懸けている」と話す吉村社長の挑戦は続く。



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