【本】地元建築家が描くミステリーに込められた「耐震化」の意味 福岡県住宅供給公社理事長・松本悟氏 | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【本】地元建築家が描くミステリーに込められた「耐震化」の意味 福岡県住宅供給公社理事長・松本悟氏

『(仮)ヴィラ・アーク設計主旨』書肆侃侃房

家原英生著『(仮)ヴィラ・アーク設計主旨』書肆侃侃房(しょしかんかんぼう) 1620円

 1995年、阪神・淡路大震災が発生。建物の倒壊等による死者は6000人を超え、福岡にも多くの方が避難されたが、当時、福岡では大きな地震は起きないという安全神話?があったように思う。
 その後、2002年の福岡県西方沖地震に続き、東日本大震災、熊本地震など甚大な被害を与えた地震が全国各地で発生し、今では、この安全神話は通用しなくなったが、建築物の耐震化への道のりは順調とは言えない。
 地震で大切な人が亡くなることを想像できるだろうか?
 『(仮)ヴィラ・アーク設計主旨 VILLA ARC (tentative)』は、福岡の建築家が書いたミステリー小説で、「設計主旨」に、その痛切な想いが込められている。同時に、著名な家具作品の紹介や建築散策といった内容も盛り込まれており、16年の江戸川乱歩賞の最終候補4点に残った作品である。
 ミステリー小説を楽しみながら、耐震化についての認識を深めていただければと思う。

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