【ドライヤーバーナーの水素混焼を実証】CN実現へ早期実用化/大林道路 | 建設通信新聞Digital

5月5日 日曜日

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【ドライヤーバーナーの水素混焼を実証】CN実現へ早期実用化/大林道路

 大林道路は、アスファルト混合物の製造過程でドライヤー燃焼バーナーによる骨材乾燥・加熱時のCO2排出量の削減に向けて、都市ガスなどに代替燃料となる水素を組み合わせた混焼バーナーの燃焼実証実験を、1月から佐賀県で進めている。カーボンニュートラル(CN)を実現する再生可能エネルギーの活用として、早期実用化を目指す。

水素混焼バーナー


 実証実験は、第一段階として、燃焼バーナーと付帯設備などの構造を検討するため、水素燃料と従来燃料の都市ガスとの特性の違いを確認している。そのほか、燃焼に関して、燃焼温度、燃焼速度、火炎伝播と保炎、理想空気比の確認、環境に関して、窒素酸化物(NOx)の発生と低減、排ガス循環を確認し、構造の面から、ドライヤー内部への影響(加熱状態、水分量など)を確認しており、2月からはアスファルト混合所でこれらを確認する。5月からは第二段階として、実験用プラントでの骨材加熱効率の実証実験を計画している。
 混焼バーナーの混焼比率は水素ガス30%、都市ガス70%、混焼時の燃焼量は1時間当たり水素ガスが553.5ノルマルm3、都市ガスが336ノルマルm3としている。

 事業別のCO2排出量は製品事業が約65%となっており、燃料消費量のうち、ドライヤー燃焼バーナーに約90%を使用している。水素と都市ガスなどの従来の使用燃料を混焼することによって、骨材乾燥・加熱過程におけるCO2排出量の低減につながり、CN実現に大きく貢献する。
 利用する水素は、大林組が大分県九重町で製造する地熱由来のグリーン水素の供給を受ける。
 大林組グリーンエネルギー本部プロジェクト推進第三部の梶木盛也担当部長は「九重町で製造する水素を利用することにより、大林組グループ全体で脱炭素に貢献する」としている。

 大林道路のカーボンニュートラル推進プロジェクト・チームのリーダーを務める本店合材事業部・機械部の浦邊寛部長は「取り組みは予定どおり進んでおり、今年度中にも水素を燃料としたアスファルト混合物ができれば」と手応えを述べるとともに、今後に期待を寄せた。なお、水素に関する有資格者も増やしていく方針だ。



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