【浚渫・環境性能を向上】東亜建設工業 ポンプ浚渫船「第三亜細亜丸」を大規模リニューアル | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【浚渫・環境性能を向上】東亜建設工業 ポンプ浚渫船「第三亜細亜丸」を大規模リニューアル

 東亜建設工業は、国内最大級の能力を持つポンプ浚渫船「第三亜細亜丸」を大規模リニューアルし、浚渫能力と環境性能を高めた。将来直面する作業船オペレーターの減少に対応するため、設備のネットワーク化による施工・運転状況の可視化やデータの収集による熟練オペレーターのノウハウの数値化を進める。

リニューアルした第三亜細亜丸


 リニューアルでは、浚渫ポンプ用主機関の出力(吸込圧力)を8000馬力から9000馬力に増強し、浚渫ポンプを欧州製の最新型ポンプに変えることで、国内最大の排送能力を実現した。土質がシルト・粘土質であれば、中継船を必要としていた10㎞程度の排送を1船で対応できる。最新型の浚渫ポンプ用主機関はIMO(国際海事機関)排ガス2次規制に対応し、NOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)の排出量を低減しつつ、燃費も旧型機の同負荷時と比べて平均8%程度向上する。カッターモーターやスイングウインチモーターなどの電動機も、高効率インバータ制御で燃費を向上し、船全体のCO2排出量を削減できる。

 排送能力を向上することでリニューアル前と比べて含泥率を高め、浚渫の土厚を増やせる。複数の施工管理システムを使って含泥率や水中ソナーで3次元地形データをリアルタイムで可視化する「オペレーター支援機能」によって、掘削状況と連動したラダー制御が可能になった。浚渫ポンプ用主機関の回転数も電子制御し、施工時の急激な負荷変動に自動で回転数を制御して安定的に施工継続と過掘りを防止する。安全面では、船舶レーダーや船舶識別装置「AIS」に加え、AI(人工知能)と高感度カメラを使った船舶監視システムを装備し、接近する船舶を警報と映像で知らせる。

 温度や圧力、回転数などの情報を含むカッターや浚渫ポンプ、主機関、発電設備の運転状態をネットワーク化し、運転状態・劣化状況をクラウド上で管理・共有できるシステムを導入している。

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