【オフィスビルのZEB取得モデルケースに】ショーボンド北日本支社新社屋/三菱地所設計 | 建設通信新聞Digital

5月18日 土曜日

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【オフィスビルのZEB取得モデルケースに】ショーボンド北日本支社新社屋/三菱地所設計


 三菱地所設計は、設計を手掛けた「ショーボンド建設 北日本支社新社屋」(宮城県仙台市)=写真=がBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)におけるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を取得した。建築計画では快適性を犠牲にせずにZEBを成立させ、設備計画は実態に即した必要十分な性能でエネルギーロスを低減し、高汎用(はんよう)技術で「エネルギー消費量『ゼロ以下』オフィス」を実現している。

 新社屋は、働き方の変化に伴う社員間のコミュニケーション向上、地域の人々が集まり活用できる空間の整備、循環型社会に対応する建築の創出を目指して設計した。S造3階建て延べ2973㎡で、6月に竣工した。所在地は若林区卸町2-9-11。

 建築計画では、熱負荷の最も大きい東西面に設備機器やコアを配して日射遮蔽(しゃへい)・断熱を図り、安定した採光が可能な北面には大窓を設け、南面は2-4mの庇(ひさし)で良好な日射遮蔽・取得を可能にした上で、無理なくフルハイトの開口を設けた。また、建物中央(2-3階)に吹き抜けと屋内階段を設け、回遊性ある平面計画とすることでコミュニケーションを誘発しつつ、解放感のある空間構成とした。

 設備計画は、計画段階に行ったワーカーの実態ヒアリングの結果に即した空調容量の適正化や照明設備を計画した。空調設備は、高効率型の空冷ヒートポンプパッケージ空調を、電気設備は全館LED照明、各種センサーなどの省エネ機器を導入した。空調室外機や屋外キュービクルを各階設備バルコニーに設置し、屋上に大容量の太陽光パネルの配置を可能にした。天井にはハイサイドライトを設け、採光と自然通風を可能とした。

 汎用性の高い技術によるZEB取得モデルケースとして、今後の市街地のオフィスビル設計の環境性能向上に寄与する。

 

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