【人間用工具をドローンが空中で操作】建研、東京理科大、西武建設が試作 | 建設通信新聞Digital

5月19日 日曜日

公式ブログ

【人間用工具をドローンが空中で操作】建研、東京理科大、西武建設が試作

ソフトハンド搭載ドローン


 建築研究所、東京理科大学、西武建設の3者は、建築物の維持管理作業の省力化に向けて、各種工具を搭載できるソフトハンドを備えたドローンの試作機を開発した。実験ではソフトハンドで電動工具を持ち、作動スイッチを押せることを確認。人手に代わり空中で工具を使った作業が可能となる。

 試作機には2本のロボットアームを設置し、その先端に工具が持てるソフトハンドを搭載した。ソフトハンドはシリコン製で、指につないだワイヤにより人の手のように制御ができる。

 実験ではソフトハンドの把持力などを測定。その結果、人さし指の把持力は成人男性の6割程度で、電動工具の作動スイッチを問題なく押せることを確認した。

 建築物の維持管理工事や点検作業への適用を見据える。ドローンに多様な工具や装置を搭載し制御できるようにすることで、人手による作業を置き換えて省力化や高度化につなげていく。

 建築研究所の宮内博之材料研究グループ上席研究員は、「今後はより現実的な工事などに適用するための作業を検討していく」としている。

 試作機の開発は3者による共同研究「建築物の維持保全に関わる係留式及び接触・破壊式ドローンシステムの技術開発」の一環。2022年度は空中でコンクリート壁面を削孔できるドリル搭載型の接触・微破壊式ドローンを開発した。

 24年度までに技術のさらなる高度化を進め、ドリル削孔やコンクリートの強度測定、建築物の耐久性評価などに適用できるドローンの社会実装を目指す。

 

【公式ブログ】ほかの記事はこちらから

建設通信新聞電子版購読をご希望の方はこちら