同賞は日本建築学会関東支部千葉支所と建築家協会関東甲信越支部千葉地域会(JIA千葉)、千葉県建築士会、千葉県建築士事務所協会の4団体が主催。審査委員長の中野正也氏(neuf works代表)ら8人が11日に公開審査を実施した。12日の表彰式では「いかに作者の世界に入り込めたかが評価の分かれ目になった」と講評した。
杉山さんの作品は、祖父母や両親とやりとりした手紙に着想を得て、山梨県市川三郷町にある富士八海の1つ四尾連湖に「届けられなかった思い出を届けるための郵便局」を計画。手紙を燃やした灰が土と交り、養分として生き物を豊かにし、地をつくり、届けられなかった思いを永遠に受け止める静ひつな空間を創造した。杉山さんは「自分にとって大事な手紙を建築で表現したかった。4年間の集大成として制作した作品が伝わってうれしい」と語った。
このほか、佐藤康行さん(東京理科大)の「身体からの学び」と西田安希さん(千葉大)の「彩配置装置」が特別賞を受賞した。
来場者の投票による市民賞には蒲生良輔さん(日大)の「結い留める水田」、高校生の部は金賞と同じ大沢さんが選ばれた。同賞OB・OGによる、なの花賞は西田さんが受賞した。