【千葉県建築学生賞】最優秀は杉山美沙さん(日大)の「思いを受けとめ、届ける」に! "大事な手紙"を建築で表現 | 建設通信新聞Digital

5月1日 水曜日

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【千葉県建築学生賞】最優秀は杉山美沙さん(日大)の「思いを受けとめ、届ける」に! “大事な手紙”を建築で表現

最優秀の杉山さん

 千葉県内の大学や高校で建築を学ぶ学生による卒業設計コンクール・第29回千葉県建築学生賞の入選作品が決まった。応募があった17作品の中から杉山美沙さん(日本大学)の「思いを受けとめ、届ける」が最優秀に選ばれた。優秀賞は山下麟太郎さん(千葉大学)の「無窮洞-戸尾防空壕更新計画」と河鰭公晃さん(東京理科大学)の「協奏するショッピングウォール」。3作品は県代表として、日本建築家協会のJIA全国学生卒業設計コンクールに出展する。高校生の部は金賞が大沢幸助さん(京葉工高)の「自然の輪~芽から大樹へ」、銀賞には田中琴音さん(市川工高)の「船橋ケイバみんなのケイバ」がそれぞれ輝いた。
 同賞は日本建築学会関東支部千葉支所と建築家協会関東甲信越支部千葉地域会(JIA千葉)、千葉県建築士会、千葉県建築士事務所協会の4団体が主催。審査委員長の中野正也氏(neuf works代表)ら8人が11日に公開審査を実施した。12日の表彰式では「いかに作者の世界に入り込めたかが評価の分かれ目になった」と講評した。
 杉山さんの作品は、祖父母や両親とやりとりした手紙に着想を得て、山梨県市川三郷町にある富士八海の1つ四尾連湖に「届けられなかった思い出を届けるための郵便局」を計画。手紙を燃やした灰が土と交り、養分として生き物を豊かにし、地をつくり、届けられなかった思いを永遠に受け止める静ひつな空間を創造した。杉山さんは「自分にとって大事な手紙を建築で表現したかった。4年間の集大成として制作した作品が伝わってうれしい」と語った。
 このほか、佐藤康行さん(東京理科大)の「身体からの学び」と西田安希さん(千葉大)の「彩配置装置」が特別賞を受賞した。
 来場者の投票による市民賞には蒲生良輔さん(日大)の「結い留める水田」、高校生の部は金賞と同じ大沢さんが選ばれた。同賞OB・OGによる、なの花賞は西田さんが受賞した。

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