【記者座談会】麻布台ヒルズが開業/24年度補正予算成立 | 建設通信新聞Digital

5月18日 土曜日

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【記者座談会】麻布台ヒルズが開業/24年度補正予算成立

◇約2.4haの緑地を配置

国内最高高さ330mの森JPタワーと中央広場


A 森ビルが開発を主導してきた「麻布台ヒルズ」が先月24日に開業したね。

B 開業まで35年ほどを費やした一大プロジェクトだ。国内最高の高さとなる330mの森JPタワーをはじめとして、ガーデンプラザ(低層棟)やレジデンスなど、総延べ86万㎡超えのスケールには圧倒される。オフィスや住宅、ホテルのほか、150店舗が入居するマーケットや森ビルデジタルアートミュージアムなど商業・文化施設、インターナショナルスクールや大学病院なども入る。

C 注目すべきは、緑地の多さだ。8.1haの敷地内に2.4haもの緑地を配置した。敷地のおよそ3分の1を緑化したということになる。森ビルが進めてきた建物を高層建築1棟に集約することで、周囲に緑地スペースを生み出す「立体緑園都市(ヴァーティカルガーデンシティ)」の考えに基づいている。

D 都心でこれほど広い緑地を目にするのは珍しい。ガーデンプラザ(低層棟)は、建物の天井部が湾曲しながら中央広場とつながるような形状となって緑地を形成している。ユニークな外観に目を引かれる。デザインを担当したのは、英国の「ヘザウィック・スタジオ」だ。麻布台ヒルズは、日本で初めて手掛けるプロジェクトだという。中央広場内のオープンスペースなど、低層部のランドスケープデザインも担当している。

A ぜひ訪れてみたい。

C 麻布台ヒルズは、森ビルがこれまでのヒルズ開発で培った全てを注ぎ込んだ集大成といえる。多くの人をひき付ける存在として、都市再生や国際競争力への貢献が期待されている。

◇公共事業関係費は約2.2兆円

A 話は変わるけど、2023年度補正予算が11月29日の参院本会議で可決、成立したね。

E デフレ完全脱却を目的とした政府の総合経済対策の裏付けとなるもので、一般会計の歳出総額は13兆1992億円に上る。「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の4年目分を中心に、土木分野の公共事業関係費は2兆2009億円を確保した。船舶建造費なども含む建築分野の「その他施設費」は9208億円を計上したので、公共事業費は3兆1217億円となった。ただ、公共事業関係費、その他施設費とも当初予算を減額補正していることから、実質の追加額は公共事業関係費2兆1979億円、その他施設費9173億円の計3兆1152億円となる。

F 公共事業関係費のうち5か年加速化対策関連には1兆3022億円を充てた。この中には、資材価格高騰などを踏まえて5か年加速化対策の別枠として新規に設定した国土強靱化緊急対応枠3000億円が含まれる。5か年加速化対策の国費累計額は4年間で約6.2兆円(国土強靱化緊急対応枠を除く)となり、5年間で確保を目指す「7兆円台半ば」の8割に達した。

G エネルギー対策特別会計のGX(グリーントランスフォーメーション)推進対策費は、24年2月に発行予定のGX経済移行債を原資として、事務費も含め1兆0396億円とした。経済産業、環境の両省に計上し、「くらし分野」の省エネルギー推進、業務用建築物の脱炭素改修、半導体サプライチェーン強靱化支援などの事業を進める。

F 国庫債務負担行為は公共事業関係費で1927億円、大規模成長投資促進事業費補助で3000億円などを設定した。財政投融資計画では国内投資促進、質の高いインフラ輸出の円借款など総額8860億円を追加した。今後は各省庁などによる予算執行、発注手続きが本格化していくことになる。

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