東京都北区は、「北区新庁舎新築基本設計業務委託」のプロポーザルにおける選考経緯を公表した。契約交渉順位第1位となった松田平田設計・小堀哲夫建築設計事務所JVの技術提案書では、提案時の想定規模はS一部SRC造延べ約4万8500㎡。基本設計業務委託費には2億9700万円(税込み)を見込み、王子駅周辺や飛鳥山公園などとの連続性に配慮した「ジオ・ガーデン」の構想などを盛り込んだ。
同者の提案では、周辺の飛鳥山や石神井川周辺までを一つのグリーンインフラととらえ、浸水高さ(3m)にも配慮した低層部を「ジオ・ガーデン」としてつなげる計画を示したほか、省エネルギー技術に加えて、自然エネルギー利用を災害時の機能維持にそのまま活用できる「フェーズフリー庁舎」などを提唱した。
審査委員会では、ジオ・ガーデンによるウォーカブル(歩きやすい環境)や緑化への貢献、浸水リスク検討の柔軟性などが評価された。
規模やコンセプトなどの提案内容は、今後区民の意見を広く募りながら、さらに協議や検討を重ねていく方針だ。
プロポーザルではこのほか、開かれた「大屋根ひろば」や縁側から着想を得た仕切りを庁舎全体に取り入れた佐藤総合計画、庁舎の核を三方に分散させ、アクセシビリティーやセキュリティーの向上を図った遠藤克彦建築研究所・東畑建築事務所JVによる提案があった。
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