【サントリーホール】客席いすは創建当時と同じ素材! 「伝統の継承と革新」リニューアル | 建設通信新聞Digital

4月29日 月曜日

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【サントリーホール】客席いすは創建当時と同じ素材! 「伝統の継承と革新」リニューアル

 世界一美しい響きを目指して--。国内のクラシック音楽をけん引するサントリーホール(東京都港区、堤剛館長)の全館改修・増築棟工事が、約7カ月にわたる工期を終えて9月1日にリニューアルオープンする=写真。これに先立ち29日に関係者による内覧会が開かれた。開館30周年を機に「伝統の継承と革新」をコンセプトとする過去最大規模のリニューアルを実施。事業主はサントリーホールディングスと森ビル。設計は安井建築設計事務所、施工は鹿島がそれぞれ担当した。
 今回の改修では創建当時と同じ素材で客席いすの張り替えや補修を実施したほか、舞台床版の全面張り替え、段差がないアプローチを持つウエストエントランスの新設、大ホールを始めとするトイレの増設、一部を除く客席舞台照明のLED化のほか、館内8カ所にデジタル・サイネージを導入するなど、物理的な制約を乗り越えて、可能な限り来場者や社会・時代の要請に応える改修を実施した。
 会見した堤館長は「音響と品質を変えることなくホールの命である響きを継承できた。世界のリーディング・ホールとして50年後、100年後も愛されるホールにしていきたい」と意気込みを語った。
 内覧会に出席した安井建築設計事務所の佐野吉彦社長も「ホールは音楽という宝石を入れる宝石箱のようなもの。時代を経てもそれぞれの役割を世代が交代しながらバトンを受け継ぎ、守り育てている理想的な建築だ」と話した。

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