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5月2日 金曜日

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【四足歩行ロボット】工事現場を巡回監視/大成建設ら

T-InspectionXを搭載した「GO2」の稼働状況


 大成建設とTechShare(東京都江東区、重光貴明社長)は、現場の施工品質や安全の確認を遠隔操作や自律制御で巡回監視できるシステム「T-InspectionX」を開発した。現在、小型から大型までの5タイプの四足歩行ロボットに搭載が可能だ。

同システムを搭載した四足歩行ロボットを首都圏内の建設現場に導入し、実用性を確認した。今後は、建物のライフサイクルに関わる統合管理システム「LifeCycleOS」との連携なども視野に改良を進める。

 管理業務の効率化に加えて、完成後のビル管理業務への活用のほか、病院・介護施設、工場・プラント、インフラ施設などの定常的な巡回・警備への利用、老朽化した施設や人の立ち入りが困難な危険エリアなどでの維持管理業務などにも幅広く使える。

 2021年5月に技術公表した四足歩行ロボットの遠隔操作システム「T-iRemote Inspection」について、自律制御による巡回監視システムなどの新機能を搭載し、バージョンアップした。

 現場導入したUnitree社製の四足歩行ロボットは、安価でコンパクトだが、優れた運動性能を持つ。日々変化する建設現場の環境条件に柔軟に対応できるよう、遠隔操作機能を決定付ける前方カメラを改良した。

 四足歩行ロボットの最新機種「GO2」本体に装備されている前方カメラに加え、3DLiDAR(レーザー式測距装置)の情報を可視化することで、全方位の障害物を正確に確認できる。

 前方のパンチルトズームカメラは、4K画質、光学3倍・デジタル5倍ズームと大幅に性能が向上し、赤外線カメラの装備も可能だ。

 このほか開発システムは、▽自律巡回監視機能を搭載▽映像・音声通話による現場との円滑なコミュニケーション実現▽自動給電への対応機能を搭載▽建設現場での自由自在な階間移動の実現–などの特徴がある。

 現在、5タイプの四足歩行ロボットに搭載可能だが、さまざまな機種のロボットにも自在に搭載できる拡張性や可用性に優れたシステムとして引き続き開発を進めていく。


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