三菱電機は20日、「三菱電機パワーデバイス製作所AT新工場新築工事」の地鎮祭を福岡市内の建設地で開いた。設計・開発・生産技術検証から製造までの一環した体制を強化し、生産性と製品開発力の向上を図る。
設計施工は竹中工務店が担当。投資額は約100億円。12月1日に本格着工し、2026年3月の新工場完成、同年10月の稼働開始を目指す。
神事では、三菱電機の竹見政義上席執行役員半導体・デバイス事業本部長の苅初(かりそめ)の儀に続き、竹中工務店の田ノ畑好幸取締役兼執行役員副社長が江田哲哉作業所長の支える杭を力強く打ち込み、工事中の安全と無事竣工を祈願した。
神事の後、竹見氏は「電気自動車などあらゆる分野に使用されるパワー半導体の需要は今後高まる。新工場から最適な製品を提供し、脱炭素化の実現と安全・安心の豊かな生活の両立に貢献する」とあいさつ。田ノ畑氏は「新工場は、三菱電機の旗艦施設として、半導体事業の新機軸となる施設仕様を備え、モノと人の流れを最適化するよう設計した。施工に当たり、設備工事会社と共に総力を挙げて安全第一、品質第一で対応したい」と決意を述べた。
パワー半導体モジュールの組み立て・検査工程を担う新工場をパワーデバイス製作所敷地内に建設する。施設規模はS造5階建て延べ約2万5270㎡。1階の入出荷、2、3階の製造ラインなどの各機能を積層に配置する。
クリーンルームには、旋回流誘引型成層空調システム(TCR-SWIT)を採用することで従来方式と比べて約40%の省エネルギー化を実現する。超高断熱の外壁材の採用、屋上への太陽光発電パネル設置なども計画する。建設地は西区今宿東1-1-1。
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江田作業所長の話 「半導体のマザー工場になるので、必要な性能を担保できるように安全第一に工事を進めたい」
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