【新卒採用3年連続増4000人超え/半数超が予定枠「確保できず」】
日刊建設通信新聞社が大手・準大手ゼネコン31社を対象に実施した人材採用調査によると、2025年4月の新卒採用数は合計で前年度比15.8%増の4494人、このうち大手5社の合計は13.0%増の2031人だった。全体では3年連続、大手5社は4年連続増となった。新卒採用状況は、「予定どおり確保できた」が10社、「予定枠の確保に苦労した」は5社。半数超の16社は「最終的に予定枠を確保できなかった」だった。
31社の新卒採用数の合計は、23年4月が前年度比3.0%増の3601人、24年4月は7.8%増の3882人で推移していた。25年4月は増加傾向がさらに強まり8ポイント増えた。
25年4月の新卒を「予定どおり確保できた」としたのは、鹿島と清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店、五洋建設、戸田建設、フジタ、奥村組、ナカノフドー建設の10社だった。
「インターンシップ実施などにより、入社後のイメージを学生にうまく伝えることができた」(大成建設)や「インターンシップ生の受け入れ人数を増加したことが目標人数の確保につながった」(五洋建設)などと振り返った。
「最終的に予定枠を確保できなかった」とした企業からは、母集団形成の苦戦や内定辞退者の増加などを理由に挙げる企業が多かった。
新卒採用数の増加傾向が続く中、26年4月の新卒採用も微増する可能性がある。計画数を回答した27社の合計は、25年4月の予定数と比べて3.5%増の4151人だった。中長期の新卒採用計画は「現状維持」が17社、「増やす予定」は14社で、「減らす予定」はゼロだった。
一方、人材の流動化などに対応し、近年急増しているのが中途採用だ。大手5社の25年4月の採用数の合計は、5年前の20年4月と比較すると、125.2%増の581人だった。31社の合計もほぼ同様の傾向が見られた。
中長期の中途採用計画は、「減らす予定」が2社、「現状維持」は16社、「増やす予定」は13社だった。減らす予定と回答した長谷工コーポレーションは、順調な採用活動や退職率低下に伴い「従前の新卒採用中心の採用に戻していく」とした。
売り手市場が続く中、各社はあの手この手で採用活動を展開している。インターンシップやSNS(交流サイト)の活用を強化しているほか、普通科の高校生採用を実施している企業も3社いた。
東急建設は工業高校や専門学校へのアプローチ強化とともに技術職の学科不問の採用を開始。東洋建設は、技術系職員を採用担当として配置し、学生のフォロー体制を強化している。
一方、中途採用では、カムバック採用が28社、リファラル(紹介)採用は23社が導入しており、それぞれ各1社が実施予定と回答した。
待遇面の改善も急務となっている。「25年度の初任給や基本給、賞与など賃金の引き上げに向けた検討状況」を質問した結果、19社が「実施する」、12社は「検討している」とし、「実施しない」はゼロだった。多くの企業が初任給を引き上げている。24年度の賃上げは、31社中30社が「実施した」と回答した。
定年延長を実施する企業も増えてきた。「実施済み」は9社。このうち▽竹中工務店▽長谷工コーポレーション▽奥村組▽鴻池組▽竹中土木▽飛島建設▽青木あすなろ建設--の7社の定年年齢は65歳、清水建設と戸田建設の2社は60-65歳で選択制を採用していた。「検討中」は12社いた。
定年後の再雇用制度は、1社を除き30社が導入していた。シニア社員も人材の流動化傾向が高まる中、多くの企業は処遇改善などでモチベーション維持を図っていることが分かった。
人材採用調査は1-2月に実施した。
日刊建設通信新聞社が大手・準大手ゼネコン31社を対象に実施した人材採用調査によると、2025年4月の新卒採用数は合計で前年度比15.8%増の4494人、このうち大手5社の合計は13.0%増の2031人だった。全体では3年連続、大手5社は4年連続増となった。新卒採用状況は、「予定どおり確保できた」が10社、「予定枠の確保に苦労した」は5社。半数超の16社は「最終的に予定枠を確保できなかった」だった。
31社の新卒採用数の合計は、23年4月が前年度比3.0%増の3601人、24年4月は7.8%増の3882人で推移していた。25年4月は増加傾向がさらに強まり8ポイント増えた。
25年4月の新卒を「予定どおり確保できた」としたのは、鹿島と清水建設、大成建設、大林組、竹中工務店、五洋建設、戸田建設、フジタ、奥村組、ナカノフドー建設の10社だった。
「インターンシップ実施などにより、入社後のイメージを学生にうまく伝えることができた」(大成建設)や「インターンシップ生の受け入れ人数を増加したことが目標人数の確保につながった」(五洋建設)などと振り返った。
「最終的に予定枠を確保できなかった」とした企業からは、母集団形成の苦戦や内定辞退者の増加などを理由に挙げる企業が多かった。
新卒採用数の増加傾向が続く中、26年4月の新卒採用も微増する可能性がある。計画数を回答した27社の合計は、25年4月の予定数と比べて3.5%増の4151人だった。中長期の新卒採用計画は「現状維持」が17社、「増やす予定」は14社で、「減らす予定」はゼロだった。
一方、人材の流動化などに対応し、近年急増しているのが中途採用だ。大手5社の25年4月の採用数の合計は、5年前の20年4月と比較すると、125.2%増の581人だった。31社の合計もほぼ同様の傾向が見られた。
中長期の中途採用計画は、「減らす予定」が2社、「現状維持」は16社、「増やす予定」は13社だった。減らす予定と回答した長谷工コーポレーションは、順調な採用活動や退職率低下に伴い「従前の新卒採用中心の採用に戻していく」とした。
売り手市場が続く中、各社はあの手この手で採用活動を展開している。インターンシップやSNS(交流サイト)の活用を強化しているほか、普通科の高校生採用を実施している企業も3社いた。
東急建設は工業高校や専門学校へのアプローチ強化とともに技術職の学科不問の採用を開始。東洋建設は、技術系職員を採用担当として配置し、学生のフォロー体制を強化している。
一方、中途採用では、カムバック採用が28社、リファラル(紹介)採用は23社が導入しており、それぞれ各1社が実施予定と回答した。
待遇面の改善も急務となっている。「25年度の初任給や基本給、賞与など賃金の引き上げに向けた検討状況」を質問した結果、19社が「実施する」、12社は「検討している」とし、「実施しない」はゼロだった。多くの企業が初任給を引き上げている。24年度の賃上げは、31社中30社が「実施した」と回答した。
定年延長を実施する企業も増えてきた。「実施済み」は9社。このうち▽竹中工務店▽長谷工コーポレーション▽奥村組▽鴻池組▽竹中土木▽飛島建設▽青木あすなろ建設--の7社の定年年齢は65歳、清水建設と戸田建設の2社は60-65歳で選択制を採用していた。「検討中」は12社いた。
定年後の再雇用制度は、1社を除き30社が導入していた。シニア社員も人材の流動化傾向が高まる中、多くの企業は処遇改善などでモチベーション維持を図っていることが分かった。
人材採用調査は1-2月に実施した。