【記者座談会】オール建設業で「働き方改革」へ! 各団体が連携して取り組む | 建設通信新聞Digital

11月1日 金曜日

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【記者座談会】オール建設業で「働き方改革」へ! 各団体が連携して取り組む

9月8日に開かれた日建連の週休二日推進本部では、「週休二日実現行動計画」の試案(案)がまとめられた


A 日本建設業連合会が、12月に策定する「週休二日実現行動計画」のアウトラインを近く固めるなど、建設業の働き方改革に向けた各団体の動きが加速しているね。
B 日建連は22日の理事会で週休二日実現行動計画の試案(案)を承認するほか、9月からは時間外労働を段階的に削減する「自主規制」の試行に乗り出す。自主規制については建設業への時間外労働の罰則付き上限規制適用を見据え、具体的な数値目標が示される見通しだ。
C 日建連の週休二日推進本部が8日の会合でまとめた試案(案)では、計画の基本方針に週休2日に伴う必要経費の請負代金への反映や、適正な工期設定の徹底など7項目を盛り込む方向で検討する方針が示された。今後は、会員企業や関係機関からの意見も踏まえながら内容を詰める。12月の計画策定後、計画期間である2021年度までの定着を目指した活動がいよいよ本格化することになる。
D 全国建設業協会も、地域建設業が目指すべき働き方の方向性を盛り込んだ「働き方改革行動憲章」を9月に策定する。全国中小建設業協会は特別検討委員会を設置し、働き方改革の本格的な検討に入る。日本電設工業協会も専門委員会を設置し、働き方改革実現に向けた「行動計画」の検討に着手するなど、設備業界でも改革の動きが活発化している。
B 業界一丸となった「連携の輪」は着実に広がりつつある。日建連、全建など10団体の事務局幹部クラスは12日に意見交換し、各団体の取り組みを報告するとともに、継続的に情報交換していくことを確認した。
C 日建連の幹部は、「日建連だけでは改革は実現できない。オール建設業の動きにしていく必要がある」と、改革に向けた取り組みの広がりを歓迎している。建設業に対する時間外労働の罰則付き上限規制適用が迫る中、適用後に法令違反が続出するような事態にならないよう、早期の環境整備にかける各団体の思いは強い。
A ところで衆議院の解散が現実味を帯びている中、解散による建設業の働き方改革への影響はあるのだろうか。
D 改革の柱である時間外労働の上限規制などを盛り込んだ働き方改革関連法案は、28日招集の臨時国会への提出が見込まれていたが、冒頭解散となった場合、法案審議の時期がずれ込むことになる。
C 関連法案は一部を除き、19年4月1日の施行を見込んでいる。解散した場合、臨時国会への提出時期がずれ込むが、後ろ倒しになることに対してある団体の幹部は「ほぼ影響はない」という見解を示している。臨時国会の開催時期がずれ込んだ影響で、法案審議が進まずに、来年の通常国会に持ち越された場合でも17年度内に成立すれば、施行まで1年間の周知期間は確保できる。このため、施行期日には影響が及ばないという見方だ。
B 仮に施行日が遅れた場合でも、建設業への罰則付き上限規制適用は法施行から5年の猶予期間後となるので、それだけ準備期間が増えるという見方もできる。さらに、働き方改革は政府が力を入れる最優先施策のため、解散による遅れを精力的に取り戻すという動きも見込まれる。
A いずれにしても、政府の強力なバックアップと業界が好況に沸くいまを逃せば改革の機会は失われることになる。“大義なき解散”が千載一遇のチャンスに水を差さないように願うばかりだ。

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