【記者座談会】「働き方改革」が実現するには/高さ日本一「常盤橋再開発」着工 | 建設通信新聞Digital

4月28日 日曜日

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【記者座談会】「働き方改革」が実現するには/高さ日本一「常盤橋再開発」着工

常盤橋街区再開発プロジェクトの完成イメージ (日本橋川方面から望む)


A あしたからゴールデン・ウィーク(GW)だ。
B ゼネコンは、5月1日、2日を休暇や有給休暇取得促進日に設定して、9連休にするところがほとんどのようだ。28日は「プレミアムフライデー」だから、その日も休暇にしたら10連休になる。『働き方改革』の一環で、できるだけ連休を取れるようにしようとしている会社は多い。
C ただ、それも本社勤務者や内勤者だけの話で、現場では民間工事などでGW中の作業を求められたりして、休めないこともまだまだ多い。日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)が公表した「2016年時短アンケート」でも、平均所定外労働時間は内勤、外勤とも減っているけど、外勤者はまだ70時間を超えている。特に月4回の土曜日の半分程度しか休みが取れておらず、休日の所定外労働時間は前年より増えているという結果になった。プレミアムフライデーや残業抑制をいくらしても、結局、土曜日を普通に出勤しているといつまでも経っても残業は減らない。
B ゼネコンからは、『働き方改革』が広がることで、若手技術者の現場に対する意識が希薄化して、現場力が一層落ちるという懸念の声も上がり始めている。残業抑制は必要だけど、やらなければならないことを放置したままで帰宅するようになっても問題だ。
C 結局、現場を「閉所」しなければ解決策にならない。閉所するには、発注者の工期に対する理解が必要だし、技能者の手取り給与が減る分の平日労働単価の引き上げも必要だ。平均の所定外労働時間や休暇取得日数が増えただけでは、『働き方改革』が進んでいるとは言えない。数字合わせだけの取り組みではなく、恒常的な改革につながるよう知恵を出し、実際の行動に移していく気概が大切だと思う。
B しかし、解消の兆しが見えない人手不足に加え、都心部では再開発ラッシュに沸いている。改革の前に立ちはだかるハードルは非常に高い。

日本の新たなランドマーク 完成は2027年予定

A 都心の再開発といえば、超高層ビルを含めた「常盤橋街区再開発プロジェクト」の初弾工区が着工した。JR東京駅前に日本一の高さのビルが完成すれば、東京ひいては日本の新たなランドマークとなるだろう。
D 下水ポンプ所や変電所などのインフラを更新しながら、4棟総延べ約68万㎡の施設を建設していく計画だ。全体完成は10年後の2027年度を予定している。目玉となる「B棟」は、61階建てで高さ390m。一方、1978年当時にアジアで最も高い建物だった「サンシャイン60」は、60階建てで高さ239m。同じ60階程度のビルだが、時代とともに階高が伸びていることがよくわかる。
E 少し豆知識を。常盤橋再開発は、千代田区大手町でのプロジェクトと思われがちだが、実は敷地の一部に中央区八重洲が含まれる。このため千代田区だけでなく、中央区でも都市計画の手続きが行われた。日本橋エリアと大手町エリアの結節点としての役割に期待が高まっている。
B 27年度の完成ということだが、そのころには現場にも週休2日が完全に定着し、週休3日の普及に向けた取り組みが始まっているかもしれないね。
A 週休3日はともかくとして、施工現場のICT(情報通信技術)化や効率化はいまより数段階は進んでいるだろう。もしかすると、ロボットが施工して、ドローンが飛び交う完全無人の現場になっているかもしれないね。

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