【記者座談会】東証再編へ市場選択申請始まる/日建協の4週8閉所調査結果 | 建設通信新聞Digital

5月6日 月曜日

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【記者座談会】東証再編へ市場選択申請始まる/日建協の4週8閉所調査結果

 9月1日から東京証券取引所の市場再編に伴う市場選択申請が始まった。
 7月の上場維持基準への適合状況の通知では、1部上場2191社のうち、664社がプライム市場の基準を満たしていなかった。現在、東証の適時開示情報では、適合通知を踏まえてどの市場を選択するかを発表する企業が相次いでいる。例えば、大手ゼネコンなど、当然プライム市場に適合する企業がプライム市場を選択すると発表しても特に驚きはない。いまの注目は、1部上場企業で、プライム市場の上場維持基準を満たすかどうかの当落線上にある企業がどういう選択をするかだ。
 1部上場の日本基礎技術は、スタンダード市場を選択すると発表した。6月末時点の時価総額が基準を満たしていなかったことが主な理由だ。基準を満たしていなくても、基準適合に向けた計画書を提出すれば経過措置を受けられるが、時価総額が基準を大きく下回っており、「クリアするためにどのような施策が必要か見えなかった」としている。
 やはり、流通株式数2万単位以上、流通株式時価総額100億円以上、流通株式比率35%以上という基準は、そう簡単なラインではないようだ。特にオーナーや親会社が株式の多くを保有しているゼネコンなどは、流通株式比率などのクリアが難しい。例えば、神戸製鋼所の子会社・神鋼環境ソリューションは、スタンダード市場の維持に必要な流通株式比率を満たせないことから、神戸製鋼所の完全子会社となって上場を廃止することにした。
 プライム市場を選択するという発表は多いが、1部上場企業がスタンダード市場を選択すると発表する事例は多いとは思えない。だが、選択申請が終了する12月末までに各社がどう判断するかは注目しておく必要がある。


東証の適時開示情報では、適合通知を踏まえ、どの市場を選択するかを発表する企業が相次いでいる



閉所指数6で大きな一歩も道半ば

 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)の4週8閉所の取り組み調査の結果が出た。
 2021年6月の閉所状況で、18年の開始以来、初めて閉所指数が6に到達した。閉所指数は、6月と11月に実施している4週8閉所の取り組みで、土日祝日の日数が異なる月を同じ日数になるよう補正した数値だ。ことしの6月は平均で4週6閉所になったということだ。
 6月は、年度の始まりということもあって、11月よりも数値が良くなる傾向にあるけど、それでも4週6閉所までようやくたどり着いたというのは大きな一歩だと思う。
 重要なことは、建築工事で8閉所が最多となった点だ。8閉所の次に4閉所が多く、まだまだ民間の建築工事は土日の閉所が難しいのが現実だが、8閉所を実施した現場が最も多いということは、10年前から考えればものすごい進歩だと思う。
 ただ、まだ土木の閉所指数が6.20だったのに対して、建築は5.80で、土木と建築の差が大きい。加えて、公共工事は4週8閉所を実施しやすくなったと言われるけど、まだ6.20で7閉所にも届いていないと言える。他産業は既に4週8休が当たり前だ。まだまだ道半ばと言わざるを得ないね。
 組合別にみると、補正指数の最高値と最低値に2.5日以上の差があることも気になる。そもそも建設業が「8休」ではなく、「8閉所」を目指しているのは、技能者が日給月給で働く中で、現場が一斉に休みでなければ、稼働している現場に技能者が流れるという問題があるからだ。企業や発注者によって取り組みの温度差があると、画餅になってしまう。足並みをそろえて「4週8閉所」を実現するまでさらなる努力が必要だ。



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