東芝グループ/DC向けビジネス強化/ソリューションをワンストップ提供 | 建設通信新聞Digital

6月8日 日曜日

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東芝グループ/DC向けビジネス強化/ソリューションをワンストップ提供

DC向けソリューションの提供イメージ
 東芝グループは、AI(人工知能)需要などで急拡大するデータセンター(DC)向けビジネスを強化する。東芝と東芝プラントシステムが専任組織を設置し、DC設立の計画段階から設計、機器・資材提供、建設工事の実施、設立後の効率的な運営、DCを利用したXaaS(ザーズ)まで、グループとして一連のバリューチェーン全体に対応したソリューションをワンストップで提供する。
 東芝は5月1日付でDC事業推進室を設置した。企画や営業・技術機能を集約し、ワンストップでDCに関するソリューションを提案する窓口となる。DC事業推進室の人員を今後増やす考え。
 他方で東芝プラントシステムは、施工を強化するため、DC向けビジネスに対応する専任組織のデータセンターインフラ推進室を7月1日付で新設する。同社はこれまで、DCに必要な設備のEPCC(エンジニアリング・調達・建設・試運転)機能を提供していた。今後は、DCに必要な設備を東芝グループ内外から柔軟に調達し、包括的な施工を請け負う。エンジニアなどの不足を踏まえ、グループ内外のパートナーとの協働も積極的に推進するとしている。
 東芝が設置したDC事業推進室の下で、関連する事業部やグループ会社が協力し、グループ横断でDC向けビジネスを強化する。東芝グループはDC向けに電源設備を中心とした機器・資材提供を行ってきたが、DC向けビジネスを中長期的な成長の機会と捉え、施工を含めて提供範囲を拡大することになる。
 グループ横断の具体的な取り組み例として、東芝の2次電池「SCiB」を搭載したUPS(無停電電源装置)を使ってVPP(バーチャルパワープラント)で余剰電力を調整電力として活用することや、東芝エネルギーシステムズのデジタルプラットフォーム「TOSHIBA SPINEX for Energy」によって効率的なエネルギーマネジメントを提供することなどを挙げる。
 モジュール・ユニット型DCを対象に、設計、製造、施工、保守までを一気通貫したサービスの検討を始める。
 DC間のデータ連携を中心としたXaaSを視野に、DC利用者の付加価値を拡大するサービスも提案する。
 グループが持つ製品・サービスの強みを組み合わせて、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献できるソリューションとして提案する方針だ。