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B・C・I 未来図

【BIM2025⑤】安藤設計 生産性高まり売上げに導入の効果/Archicadが効率化ツール

最終更新 | 2025/06/18 14:54

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「所員一人ひとりの生産効率が高まり、売り上げにもBIM導入の効果が表れている」と語るのは、安藤設計(宇都宮市)の安藤篤史社長だ。社として基本設計へのBIM導入を位置付けた2018年を境に「成長路線を歩み始めた」と手応えを口にする。今年4月には、愛用するグラフィソフトのBIMソフト『Archicad』を設計担当全員にライセンス付与する体制を確立し、BIM活用の新たなステージに向けて力強い一歩を踏み出した。

左から中岡主任、安藤社長、安藤常務


BIM導入のきっかけは14年にさかのぼる。当時は、加盟する栃木県建築士事務所協会が「マロニエ学生BIM設計コンペ」を開催したタイミングでもあり、会員間でもBIMが大きな話題になっていた。試しにArchicadを5ライセンス導入したことが出発点となったが、安藤崇之常務は「導入から2、3年は足踏み状態が続いた」と振り返る。

潮目が変わったのは、16年4月に入社した中岡進太郎主任の存在だった。宇都宮大大学院生の時に設計部のアルバイトとして働いていた上、マロニエコンペの優秀賞受賞者でもあった。安藤社長は「彼にBIMの普及を先導してもらいたい」と、入社1年目から推進役としてArchicadの使い方を社内に伝授する役割を位置付けてきた。

中岡主任は「最初はBIMの先生役として先輩に教えることに戸惑いもあったが、当社の伝統でもあるフラットな雰囲気もあり、前向きに取り組むことができた」と振り返る。BIM担当役員を担う安藤常務が「社内で孤立しないような環境をつくるように心掛けてきた」ことも後押しとなった。各設計担当はパースづくりから学び、段階的に一般図まで仕上げる流れでArchicadの操作スキルを向上してきた。

社として基本設計段階のBIM導入を明確に位置付けたのは18年4月からだ。推進役の中岡主任も設計者としての実力を付けてきており、設計担当として実案件を手掛けるようになったタイミングでもあった。安藤社長は「社内のBIMに対する意識は導入当初と比べて大きく変わり、BIMの良さを皆が理解し、効果的に業務で使うようになった」と実感していた。

現在の組織は23人体制。設計部門は室長2人を除く設計担当16人すべてがArchicadを使いこなす。安藤常務は「中岡のように実施設計レベルまでBIMで手掛ける実力者は5人ほど育っている。残りは詳細図の部分でまだ2次元を使ってはいるが、いずれは若手を中心に実施設計まで取り組む担当が増えてくる」と手応えをつかんでいる。

「操作手順が少なく、直感的にモデリングできる作業性が魅力」と中岡主任が語るように、社内ではArchicadが業務効率化のツールとしても効果を発揮してきた。顧客との合意形成ではArchicadビューアツール『BIMx』を全面導入しており、施工者とのすり合わせに加え、提案時には営業担当がモデルで説明ができるプレゼン効果も表れている。

設計担当16人全員がArchicadを使う


安藤社長は「BIMを軸に事務所全体が回り始めている。2次元を主体にしていた頃と比べ、設計者はデザインを思考するクリエーティブな部分により時間を使えるようになった」と語る。残業時間も大幅に削減している。BIMを本格導入する前に月40時間を超えていた平均残業時間は24年度に12時間まで下がり、売上高も17年度に比べ1億円の増加となり、所員1人当たりの売上高も2000万円を超えた。設計収入の9割は民間案件が占め、近年はプロジェクトの大型化による増収効果があったものの、「BIMによる生産性向上の効果も大いに発揮した」と実感している。

同社は設計担当がフラットで並ぶ「鍋蓋型」の組織を確立している。一人前になった設計担当にプロジェクトの責任者を担わせており、個の能力向上に合わせて組織力が発揮される枠組みとなる。「所員一人ひとりのBIMスキル向上が当社の成長を後押ししている。将来的には所員1人当たりの収入規模として3000万円の大台を目指したい」。安藤社長はさらなる高みに向かってBIM導入を推し進めている。

営業提案ではモデルを使ったプレゼン効果も発揮

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