【BIM2025(24)】Ritax 意匠、構造、設備のワンモデル好調 | 建設通信新聞Digital

7月17日 木曜日

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【BIM2025(24)】Ritax 意匠、構造、設備のワンモデル好調

安藤氏

設立から30年の節目に新たなステージへの展開を見据え、社名変更したRitax(旧ベクトル・ジャパン)の安藤浩二社長は「意匠、構造、設備の各モデルを統合化するワンモデルの取り組みが好調に推移している」と明かす。3年前から年5、6件ペースで取り組んできた。最近はBIMの導入拡大に力を入れ始めた準大手ゼネコンの他社設計案件を中心に「件数が大きく伸びている」と手応えを口にする。

ワンモデルの取り組みは、意匠、構造、設備の2次元図面を同社が3次元モデル化し、統合モデルとして設計の不整合などを検証するもので、ゼネコンにとっては着工前までのおよそ1カ月間で干渉部分などを解消できる。同社では技術者40人全員がBIMソフト「Revit」を使いこなす。技術者1人が1プロジェクトを担う体制によって増大する需要に柔軟に対応している。「意匠、構造、設備をワンセットで対応できる点が当社の強み」とつけ加える。

そうしたモデリング力を武器に、配筋モデルの事業展開も動き出した。10年前に大型ポンプ場プロジェクトで取り組んだ過密配筋のモデル化をきっかけに、配筋モデルの情報から鉄筋の曲げ加工を自動化する流れを確立してきた。今年に入り、曲げ加工に取り組む初弾の建築プロジェクトも出てきた。同社のビジネスモデルに賛同する鹿島と共同で「配筋DX」の商標登録も完了した。

同社では、構造計算から鉄筋の加工・納入までを一貫してサポートする革新的なシステム「リーバーシステム」を2024年9月から運用を始めており、今後は提携工場を増やすことで全国展開にも乗り出す。「ゼネコンは鉄筋数量を把握でき、鉄筋工事業者にとっては人手不足を解消できる。鉄筋工事の標準化に挑んでいきたい」と先を見据えている。

同社の体制は社員数54人で、中国・大連の海外オフィスを含めると80人を超える。24年に6億円を確保した売上高は25年に7億円を上回る見通し。「需要は大いにある。気がつけば、どのBIMプロジェクトにもRitaxが下支えしているような会社になっていきたい」と力を込める。

配筋収まりモデル



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