三建設備/施工図BIMをVR・AR化/国内外2社と協力体制/次世代施工管理の確立へ | 建設通信新聞Digital

7月7日 月曜日

企業

三建設備/施工図BIMをVR・AR化/国内外2社と協力体制/次世代施工管理の確立へ

現場でのAR空間
VRを活用した施     工図BIMの検証
 三建設備工業は、施工図BIMをVR(仮想現実)・AR(拡張現実)化した次世代施工管理手法の確立に向け、国内外2社と協力体制を構築した。新たな手法の活用により、施工品質の向上や工程の円滑な進行などが期待できるという。同社が千葉県内で施工する現場をモデルに技術検証を実施しており、モデル現場の拡大を視野に入れながら取り組みを進める。
 ゲームエンジンベースの独自技術を使って世界80カ国以上の建設プロジェクトでBIMデータの高度な可視化とリアルタイム共有を展開するRevizto(スイス・ローザンヌ)、デザインデータや建設・建築データ、仮想現実の三つの見える化に取り組むSUTUDIO55(東京都渋谷区)と、1日に協力体制を構築した。
 VR技術と施工図BIMを組み合わせる手法の確立と、AR技術を活用した現場情報の可視化を目指す。トレーニングツールとしてのVR・AR活用も視野に入れる。
 VR関係は、人間が3次元空間にアバターとして入り込み、機器類やバルブなどの位置関係を身体的な感覚で事前確認する手法を確立する。Reviztoが持つゲームエンジンを基盤とした3次元処理能力の活用により、モニター上の3次元画面で事前確認が困難だった「使い勝手に直結する要素(バルブのハンドルの向きなど)」をチェックできれば、現場での手戻りや再加工を削減して施工品質の向上につながるとみている。
 AR関係では、現実空間と施工図BIMの合成により、建築図面でBIM化が困難または記載されていない情報(仮置き材料、仮設用足場、構造部にない補強材、スライディングウォール用指示材、天井つりモニターの天井内指示材など)を仮想的に事前確認できるようにする。現場での予期せぬ調整や手配を減らし、工程が円滑に進行すると効果を見込む。
 3社は、連携によってBIMを核とした次世代の施工管理手法を確立し、建設業界全体のDX(デジタルトランスフォーメーション)をけん引する方針だ。
 三建設備工業の小柳雄司常務執行役員技術統括本部長は、3社のノウハウと技術力を融合させることで「より実用的かつ効果的な現場管理手法を確立する」とコメントしている。