【新卒 増加基調に一服感/早期接触が質確保の分け目】
日刊建設通信新聞社が実施した人材採用調査によると、回答した建設コンサルタント19社の2026年4月新卒採用予定者数は1026人で、前年実績比0.7%増となった。高水準は維持したものの、ここ数年続いてきた4、5%程度の増加と比べると、伸びは鈍化した。
26年春の新卒を予定通り確保できたのは10社、確保できなかったのは8社、苦労しながらも何とか進めたのが1社だった。
目標採用数に届かなかった企業は、内定後の辞退や売り手市場による競争激化を要因に挙げたほか、「応募数は前年よりあったものの、質を落とさず採用したため未達となった」「採用基準に達する応募者がいなかった」といった声も寄せられた。志望者数の増減だけでなく、求める水準の学生を確保しにくいことも採用難に拍車をかけている。
予定どおり確保できた企業では、インターンシップの内容充実や強化を理由に挙げる声が目立った。採用早期化が進む中、早期の母集団形成が奏功した形だ。退職者・選考辞退者などを転職潜在層として捉え、継続的に接点を持つ動きも広がっている。
今後の新卒採用者数は、増やす意向が5社、減らす予定が2社で、12社が現状維持とした。中途採用は7社が増やす意向を示し、12社が現状維持と回答した。新卒・中途とも大幅増よりも、まずは予定枠の着実な確保を重視する姿勢がうかがえる。分野別では、土木に加え、AI(人工知能)やシステム開発を含む情報システム人材への需要が高い。
ベースアップや初任給引き上げも続く。25年度は17社が実施済みで、残る2社が検討中。26年度も11社が早々に実施の意向を示しており、8社が検討中とした。
採用の早期化に関する質問では、9社が26年新卒採用を24年10-12月に開始、過半の12社が25年3月以前に活動を開始した。優秀な学生の早期確保といった利点がある一方、採用期間の長期化によるコスト・負担の増加、内定辞退リスクが課題だ。学生の専攻や志向が固まりきらない時期に選考を進めることで、評価の難しさやミスマッチを懸念する声もあった。
離職率は3%台から30%台まで幅があったが、改善または横ばいとする企業が過半を占めた。採用競争が激化する中、採用した人材の早期定着を促すオンボーディングや、ヒアリングに基づく離職防止策の重要性も高まっている。
技術系新卒に占める女性比率は上昇した。25年4月採用では技術系942人のうち女性は232人だったのに対し、26年4月予定では950人のうち296人となり、比率は24.6%から31.2%に高まった。27年度の採用計画でも、性別による採用枠は設けず、良い人材であれば男女を問わず積極的に採用するとの回答が複数あった。
今回の調査では、15社が文系学部の学生を技術系として採用していることも分かった。人材確保が難しさを増す中、対象を固定化せず採用を進める姿勢がうかがえる。
