【新卒11%増 27年も採用枠拡大/土木人材足りず 即戦力や中堅求める声も】
日刊建設通信新聞社が道路舗装11社を対象に実施した「人材採用調査」によると、2026年4月の新卒採用者数は全体の合計で前年の実績に比べて11.8%増の541人だった。11社のうち8社が上回った。27年4月は12.6%増の609人を計画している。学生優位の売り手市場が続くだけでなく、初任給引き上げといった福利厚生面の充実も後押しし、採用競争が激化する中でも着実に採用数を増やしている。26年の予定人数を最多の91人とするNIPPOは、27年計画を95人、続く前田道路、日本道路も85人とするなど、100人に迫る。
26年4月入社予定の新卒採用について、「計画通り確保できた」が3社、「一部確保できたが、計画には未達」が7社だった。採用活動の早期化、土木を含む理系学生の減少、大手ゼネコンの採用強化により、母集団形成に苦戦したとする企業もあった。
事務職は計画人数を達成したものの、施工管理や機械といった技術系での人材確保に苦戦しているとする企業が多い中、文系学生の技術職採用は全社が実施した。文系技術職の採用計画数は、10社が「増えた」または「変わらない」と回答している。
今後の新卒採用者数は4社が増やす予定、7社が現状維持と回答した。中途採用は7社が増やす予定、4社が現状維持と回答しており、即戦力を望むだけでなく、不足感のある中堅人材を補いたい姿勢が伺える。
採用に関する独自の取り組みとしては、イベントや説明会、学校訪問により、年間を通して学生との接触機会を増やす傾向がある。学生と多く関わることで、社名の周知や現場のイメージアップの効果を期待する。
学生にとって魅力の一つである処遇面は、25年度には全社が賃上げを実施した。ベースアップや初任給引き上げにより、大学院卒では30万円に迫る企業も見られた。26年度も全社が「実施する」「検討している」と回答した。
人手不足を感じる分野には、10社が「土木」を挙げる。「常に施工管理職が不足している」と悲痛な声が漏れる中、定年退職者の増加に伴う人員の補充、中堅世代の技術職を強く求めている。このほか建築や、事業拡大と技術向上のため情報システム分野の採用を強化する企業も見られる。
就活時期については、全社で「早まっている」との認識が一致。内々定を出した後から入社まで長期間にわたってフォローしなければならず、学生との接触増も含めて社員への負担感が出ている。
離職率(3年)は、20%弱から50%弱と、新規大卒就職者平均の約3割と同様な数値になった。集合型研修やフォロー面談の回数の増加といった教育体制の見直し、処遇改善、就労環境の改善などにより、離職防止を図る。
