建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)が会員団体所属企業を対象に実施した調査によると、記録的猛暑だった昨年夏の現場閉所日数について「増加した」と回答した企業は1割にとどまった。一方、熱中症対策の義務化が始まり元請けの対策が「強化された」との回答は8割を占めた。調査を実施した建専連委員会で委員長を務める蟹澤宏剛芝浦工大教授は、猛暑期間に休工しても技能者に適正な給与を支払える仕組みの検討や、現場のオフサイト化の推進を提言。「建設産業の魅力を高めるためにも、酷暑と休みの問題は業界全体で考えなければならない」と訴えた。 =関連2面
調査は専門工事業の働き方の実態把握を目的に毎年実施している。今回は2025年11-12月に建専連正会員34団体の所属企業とその下請け企業を対象に実施し、751件の回答を集めた。
猛暑となった25年7-9月の現場閉所日数は「変わらなかった」が74.8%と最も多く、「増加した」が14.1%、「減少した」が1.7%だった。
「増加した」の回答を請負階層別に見ると、元請けが19.4%、1次下請けが14.7%、2次下請けが8.1%で、高次の下請けほど低くなる傾向にあった。公共・民間別では、公共主体が12.6%、民間主体が13.5%、公共・民間半々が18.7%だった。
改正労働安全衛生規則の施行で25年6月から職場の熱中症対策が義務化されたことを受け、元請けによる猛暑対策を聞いたところ、「明らかに強化された」は38.9%、「一部強化されたが大きな変化はない」は41.9%、「ほとんど変化はない」は15.6%となった。
対策が強化されたと回答した企業に具体的な内容を聞くと、「経口補水液や塩分タブレットの常備・配布」が最も多く、「休憩所の拡大」「体調不良者への声かけや巡視強化」などが続いた。
元請けの対策とは別に会社独自の対策として、休憩回数の増加や熱中症対策手当の支給に取り組んでいる事例もあった。現場の作業員を増やして1人当たりの負担を軽減しているとの回答もあった。
建専連は厳しさを増す猛暑から技能者の健康と安全を守るため、建設業の夏休みの導入を訴える提言を作成。業界全体での機運醸成に向け、発注者や元請けの理解を得るための活動を展開している。
