建設産業専門団体連合会(岩田正吾会長)は、会員団体所属企業を対象に実施した現場の働き方に関する調査結果をまとめた。技能者を一人も採用できなかったと回答した企業は半数以上を占め、前年度調査から1割ほど悪化。担い手確保の厳しさが増している実態が明らかとなった。調査を担当した建専連委員会で委員長を務める蟹澤宏剛芝浦工大教授は、元請け側との人材獲得競争の激化が背景にあるとみている。 =1面参照
調査は2025年11-12月に建専連正会員34団体の所属企業とその下請け企業を対象に実施し、751件の回答を集めた。
技能者の採用について「一人も採用できなかった」と回答した企業は前年度調査から13.1ポイント増えて54.2%に達した。「予定どおり採用できた」は5.0ポイント減の14.1%、「予定を下回ったが採用できた」は3.4ポイント減の20.7%といずれも減少した。
一人も採用できなかったと回答した企業を社員規模別に見ると、「30-99人」は36.4%、「100-299人」は21.7%だったのに対し、「1-4人」は56.4%、「5-9人」は68.2%、「10-29人」は61.2%で、小規模な会社ほど人材獲得に苦戦している様子が見て取れる。
直近1年で採用した技能者の経歴は、中途の経験者が47.4%、中途の未経験者が40.5%だった。新卒は高卒が31.2%と最も多く、短大卒・大卒が8.9%となった。
求人方法は「知人の紹介や縁故採用」が53.0%と最多で、社員規模が小さいほど割合が高い。そのほか、「ハローワーク」「学校への求人活動」「求人広告」などが続いた。
蟹澤教授は専門工事会社の採用が厳しくなっている要因について、主要な採用ターゲットとなる工業高校生の減少に加え、ゼネコンやハウスメーカーによる工業高校生の積極的な採用を挙げる。
その上で「元請け、下請けの立場を超えて建設産業全体で考えなければ、現場のものづくりは成り立たなくなる。専門工事会社が人材を採用できていない実態を重く受け止めてほしい」と警鐘を鳴らす。
