建設労務安全研究会の細谷浩昭理事長と稲直人、小澤重雄、田中克志各副理事長は24日、東京・八丁堀の東京建設会館で記者会見を開き、今年度の活動方針などを語った。細谷理事長は「いわゆる『まさか』の災害を防止するためには、想定内を広げ、想定外を考えることが必要だ。ただ、人頼みの安全には限界がある。人がミスを起こしても重大な災害に至らない設備・機械・工具、さらには作業方法そのものの安全化、すなわち『本質安全化』が重要となる」との見解を示した。
細谷理事長は、日々変化する現場状況、大型機械の多数稼働、さまざまな職種が同時に作業する混在作業が、建設業における特徴的なリスクであると指摘した上で、「一人ひとりが、何のために行うのかという仕事の目的や趣旨を理解し、最悪どうなるのかというリスクを想像し、絶対に外してはいけないポイントを把握する必要がある。こうした考え方を身に付ける仕事の本質教育が、災害防止の基盤になる」と訴えた。
また、「事故や災害に至らなかったという意味では、成功体験とも言えるヒヤリハットが十分に活用されていない」とも指摘し、報告の煩雑さや失敗体験と捉えられる傾向を課題に挙げた。
年々増加している外国人労働者の安全対策については、「言葉の壁や理解度、文化の違いといった課題があり、日常会話すらままならない人も少なくない。まさかの災害が今後さらに増加する可能性があり、外国人労働者に対する新しい教育や現場の実情に応じた指導とフォローが必要だろう」と述べた。稲副理事長は「外国人材の受け入れは歓迎すべきものだが、雇用主にはもっと責任を持って教育や指導に力を入れてもらわなければならない」と話した。
今夏も猛暑が想定されている中、小澤副理事長は「とにかく重症化・重篤化を防ぐことが大事だ。対処の遅れが重篤化につながることが多く、症状が出た場合は少しでも早く診察や治療を受けることが重要となる」と呼び掛けた。
26年度に新しく副理事長に就任した田中氏は「会員各社の好事例を吸い上げて広く共有し、それぞれが自社で実践できるようにしていきたい」と抱負を述べた。
