【渋谷再開発成功に向けた戦略は?/交流密に難題に応える】
鉄道関連工事に強みを持つ東急建設。その中で、首都圏を中心に民間鉄道関連工事に取り組むのが都市開発支店で、このトップに戸田健大郎氏が就いた。現在、100年に1度と呼ばれる東京・渋谷駅前の再開発が進む。それを担う重責に「非常に緊張している」と口元を結び、「社内各所とコミュニケーションを密に取りながら、全社一丸で結果を出す」と語る戸田支店長に、かじ取りや運営方針を聞いた。
--注力するのは
「現状、支店のメイン事業は、プロジェクトが進行中の渋谷駅前の再開発工事だ。これをしっかりやり遂げることが、現在われわれに課された役割だと認識している」
--鍵になるポイントは
「コミュニケーションだ。支店が携わる事業は一つひとつの案件規模が大きく、工事の成否が会社全体に与える影響も大きい。加えて作業所のすぐ脇を鉄道が走る関係上、作業時間をはじめ制限は多く、難易度も高い。こうした難題に土木・建築部門が一体となって対応している。だからこそ、社内の情報共有、コミュニケーションが非常に重要だと考えている」
--市場環境をどう見るか
「ホームドア工事の需要が堅調な状況にある。加えて老朽化が進むトンネルの維持保全、メンテナンスや鉄道の高架化といったニーズもある。鉄道各社の動向を見ると、多くの企業がこれらを含む事業投資を念頭に賃金改定を進めている」
「駅前のにぎわい創出といったニーズにも応えたい。長期的な視点に立てば、東急沿線は街の開発から歳月が経ち、いずれは更新する必要も出てくるだろう。ここにどう関わるかを考えている」
--支店の強みは
「土木・建築部門が一体となった『都市機能を止めない』建設技術があることだ。建築に目を向ければ、超高層ビルを手掛けられる会社はスーパーゼネコン以外で数えるほどだ。こうした中、1日に何百万人もの人が行き交う渋谷駅前に渋谷ヒカリエ、渋谷ストリームなどの超高層ビルを建ててきた。既に開業した渋谷スクランブルスクエア東棟では、目の前に鉄道、国道246号が通っている。あの狭い空間に、高さ約230mのビルを無事に建てることができた。非常に難易度が高く、当社としても初めての経験だった。現在は、渋谷スクランブルスクエア西棟の建設を進めている」
--土木分野は
「渋谷駅前の地下に築造した雨水貯留槽や駅改良工事が代表例だが、駅周辺の土木基盤整備や駅改良工事などを夜間に進めている。土木分野も都市機能を止めない点は同じだ。難工事で培った知見を今後のさまざまなプロジェクトに生かしていく。これを今一番のテーマに据えている」
--課題は
「施工能力の確保だ。女性や高齢者など多様な人材が活躍できる環境整備が欠かせない。合わせて若手人材の育成も強化する。さらには、限られた技術スタッフの最適配置にも力を入れる。人材の配員計画を担う本社とのタイムリーな情報共有を強化する」
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(とだ・けんたろう)1989年3月専修大経済学部経済学科卒後、同年4月東急建設入社。2012年4月営業総本部都市開発本部グループ営業部グループリーダー、17年4月営業本部都市開発部次長、18年4月都市開発支店都市開発部部長、22年4月都市開発支店副支店長兼都市開発部部長、26年4月執行役員都市開発支店長。趣味はロードバイク、週末は荒川河川敷を疾走して汗を流す。埼玉県出身。67年2月6日生まれ、59歳。
