国土交通省は、今後のインフラマネジメントの取り組みの方向性を示した。点検、調査に加え、上流側の計画、設計、整備を一体で捉える統合的マネジメントの具体化に向け、地域インフラ群再生戦略マネジメント(群マネ)をはじめ、広域・多分野の連携を進める制度整備を検討する。インフラマネジメントを担う受注者の体制にも目を向け、産業が健全に発展するよう「業界力」を高める仕組みの構築を目指す。
28日に開いた社会資本整備審議会・交通政策審議会のインフラマネジメント戦略小委員会で方向性を提示した。
埼玉県八潮市の道路陥没事故を受けた対策検討委員会の第3次提言をベースに、インフラメンテナンスからインフラマネジメントへの転換に向けた今後の取り組みを整理した。今夏にもまとめる中間答申の柱立てとなる。
統合的マネジメント実現に向け、中核となる群マネの推進に向けた制度を検討する。モデル地域での試行で把握した課題を踏まえ、全国展開への方法を探る。群マネの手引きも充実するほか、専門家を活用できる仕組みを整える。
インフラマネジメントの担い手に焦点を当てた施策も打ち出す。建設業をはじめとする産業の発展に向け、業界力を高める方策を今後議論する。発注者側だけでなく、受注者側の体制維持に向けた施策も用意し、持続的なインフラマネジメントを目指す。
点検・調査への新技術導入やデジタル化を促し、インフラの状態を管理者、市民双方に見える化する。施設の重要性や老朽化の度合いに応じて対策にメリハリをつけられるようにするため、優先度設定の考え方をまとめる。
会合で戸田祐嗣名古屋大大学院工学研究科教授は「統合マネジメントの在り方は地域ごとに異なる」と述べ、体制面や予算面も含めてマネジメントを進めるための方針が必要とした。
足立泰美甲南大学経済学部教授は小規模な地方自治体ほどメリハリをつける判断に迫られているとし、「都道府県に役割が求められるのではないか」と問題提起した。
大森有理弁護士は「(インフラに)市民が興味を持つことで担い手に脚光が集まる」と指摘し、市民に対して見える化する施策が特に重要になると強調した。
