ガン、ガンと鉄筋同士が激しくぶつかり合う。重厚な金属音が鳴り響く加工場で、数十人の職人が黙々と作業に当たっていた。その中心で的確に指示を飛ばしていたのが、キョウ・ヒンさんとホーシ・チャンさん。海を渡り、言葉や文化の壁を乗り越えて現場で活躍する2人のリーダーに話を聞いた。
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埼玉県熊谷市に本社を置く鉄筋工事業の国井興業に勤めるキョウさんは中国出身。留学生として来日したのは20年以上前になる。卒業後、祖父が日本で建設関係の仕事をしていた縁でこの世界に飛び込んだ。入職当初は戸惑いも多かったが、ひたすらに業務に打ち込んだ。今では手に職が付き、「仕事はもう慣れたよ」と笑う。
後進指導を任される立場に昇格したが、ここでまた試練が。加工場内には同郷の中国以外にもベトナムやインドネシアなどさまざまな国の出身者が入り交じる。キョウさんにとっても教える相手は外国人。再び、言葉や文化の壁と向き合うことになった。根気のいる作業に思えるが、キョウさんの後輩への目線は温かい。「皆、言葉は違うし、業務は重い物を扱う仕事で体の負担は大きい。最初は大変な思いをしていると思う」
日本に家も建てた。家族で出かける際、手掛けた建物の前を通ると「ここはお父さんがやったんだよ」と誇らしげに語る。その姿には国籍を超えた職人の誇り、インフラを支える仕事への自負がにじむ。
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同じく国井興業のチャンさんはベトナム出身。母国でも建設の仕事をしていたが、技術を高めて厚遇を得ようと11年前に来日した。昨年、難関資格である特定技能2号に合格した。努力を重ね、4回目の挑戦でその能力が認められた。
家族はベトナムにおり、会社に相談すれば年に数回、1週間から1カ月ほどの長期帰国も可能だ。「社長も工場長もみんな優しい。給料も知り合いのネットワークの中で一番高いよ」と充実した表情を見せる。
今、2人が口をそろえるのは会社への感謝と仕事への誇りだ。「会社がもっと良くなるように頑張りたい。いい製品をつくって、みんなに『国井興業はいいな』と思ってもらえるように」(キョウさん)、「会社をもっと大きく、一番にしたい。もっときれいに、完璧な仕事をしたい」(チャンさん)。共に熱いまなざしで前を向く。

