【MJテクノロジー】ミャンマー人技術者派遣 手厚いフォローで正規雇用も増加 | 建設通信新聞Digital

4月25日 木曜日

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【MJテクノロジー】ミャンマー人技術者派遣 手厚いフォローで正規雇用も増加

三浦哲也代表取締役

 2014年12月からミャンマー人技術者の派遣を始めたMJテクノロジー(東京都千代田区、三浦哲也代表取締役)の累計派遣技術者数が100人に達しようとしている。建設会社の現場監督員を中心に質の高いミャンマー人技術者を派遣するだけでなく、正社員として雇い入れられる事例も増えている。建設業における技術者の不足が深刻化する中、さらなる飛躍が期待されている。 同社は、ミャンマーの最高学府・ヤンゴン工科大学とヤンゴン海事大学から毎年30-60人単位で学生を受け入れている。3期目の17年で累計派遣技術者数は83人となり、現在は45人を派遣中。派遣先は大手・準大手・中堅ゼネコン、地域建設会社、専門工事会社などの建設業を中心に、コンサルタント会社や造船会社、IT企業など幅広い。三浦代表取締役は「技術者を派遣して、1-3年後に派遣先で正社員として雇用してもらうのが当社のモデル」と話す。これまでに15人が、建設会社や設備工事会社などの正社員となっていった。
 毎年12月に両大学で募集すると、300人ほどが面接を受けに来る。面接を通過した面々は、1月から現地で読み書きや会話などの日本語学習、CADやエクセルの技術研修、構造計算など学生同士の勉強会などを無料で受け、来日に備える。特徴的なのは、日本人講師による漢字学習だ。「洪水」や「構造物」などの言葉も織り交ぜた作文も書けるようになる。ことしは、2人の派遣社員が2級土木施工管理技士試験に挑戦するほど、レベルが上がっている。「最初のうちは『日本語を学びたい』という学生が集まったが、いまは(派遣の)実績が増え、日本語は応募時点で既に覚えており、『日本で働ける人』を集められる」(三浦代表取締役)と、安定した日本語レベルの高さが“売り”となっている。
 来日後は東京都文京区の社員寮で数カ月間、安全教育や新規入場者教育を受けつつ、自炊しながら生活習慣を覚える。単にミャンマー人を紹介するのではなく、自社の社員として派遣するため、「日常生活の悩みなど個人の生活もフォローできる体制がある」(同)ことが同業者との大きな違いだ。
 現在も10人の派遣先が決定してビザを申請中だが、「ビザの取得に3-4カ月かかることもある」という課題もあり、年間の派遣技術者数を大幅に増やせないのが悩みでもある。

MJテクノロジーのオフィスで話すミン・チャンさん

 派遣先の建設現場では、「竣工前の清掃や扉の全戸チェックなどに対応する日本人の若手技術者が少ない。ミャンマー人は、真面目で丁寧に仕事をするので、高い評価を受けている」という。派遣社員のミン・チャンさんは、松尾建設のマンション建築現場に派遣され、現場で施工管理や管理写真の撮影・整理などに従事している。現場では所長の熊本弁に苦労もしたが、「仕事が本当に楽しい」と屈託なく口にできる素直さと真面目さで、派遣先から評価を受けるのに長い時間はかからなかった。最近は、「ミャンマーで地震が心配になっているので、何年か日本で経験を積み、ミャンマーで建設会社を立ち上げ、日本の経験・技術を教えたい」と思うようになった。

3D図面を描くスレイ・ナインさん

 ミン・チャンさんと同じくヤンゴン工科大学を卒業し、2月に来日したばかりのスレイ・ナインさんは、同社のグループ会社が手掛ける建築プロジェクトの3次元CAD図面を作成している。「日本は超高層ビルがたくさんある。日本でいろいろ経験し、ミャンマーに伝え、すばらしいビルをつくれるようになりたい」と、その目には夢と希望が満ちあふれている。三浦代表取締役は、こうした技術者を派遣し、「普通に日本人と同じように仕事している」と顧客から言われることが、最もうれしいという。
 既に事業モデルが軌道に乗っているが、三浦代表取締役は「良い生徒を集め、良いエンジニアがいると顧客に思われ、ミャンマー人からも受け入れ後のしっかりしたフォローがあると思われるブランドイメージが付くことが大切」と気を引き締める。

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