
JFEホールディングス(HD)と川崎市が、JFEスチール東日本製鉄所京浜地区の高炉等製鉄設備休止後の土地活用に向けて連携して進めている扇島地区の土地利用転換が大きく前進する。日本GLPが地区東側の先導エリアに位置付ける高度物流ゾーン約18ヘクタールを取得。11棟総延べ約37万平方メートル、保管能力55万トン規模の大規模多機能な次世代冷凍冷蔵物流施設「ALFALINK川崎扇島」を段階的に整備する。2028年6月から順次着工し、30年7月以降の順次竣工を目指す。
25日に川崎市と日本GLP、JFEHDが川崎市役所で開いた共同会見で全容を示した。JFEスチールと日本GLPが同施設の開発用地として、5日に土地の売買契約を結ぶとともに、JFEHD、JFEスチール、日本GLP、川崎市の4者が高度物流拠点の形成に向け、同日に連携協定を結んだことも明らかにした。
各者は連携して、脱炭素に向けた水素モビリティーの活用や水素ステーションの設置、川崎港を活用したモーダルシフトに取り組む。物流DX(デジタルトランスフォーメーション)・効率化に向けた自動運転トラックの活用、DX設備の導入、共同輸配送の推進とともに、地域への貢献として、見学施設の設置や災害時の物資輸送機能の強化にも取り組んでいく。
会見した福田紀彦市長は、「輸送力不足やカーボンニュートラルといった物流の課題に対し、日本の物流をけん引する高度な機能を複合的に備えた物流拠点の形成を目指すものだ」と高度物流拠点形成プロジェクトの意義を強調した上で、「扇島地区では首都圏最大級の次世代GX(グリーントランスフォーメーション)産業集積拠点の形成に向け、今後も段階的に土地利用転換を推進する必要がある。本プロジェクトの始動が、今後の土地利用転換の大きな弾みとなるよう取り組んでいく」と力を込めた。
日本GLPは、国内有数の冷凍冷蔵倉庫集積地として、首都圏の食品物流拠点に位置付けられている東扇島地区が隣接している立地特性を生かし、相互の機能を連携・補完しながら首都圏の食品物流を支える次世代コールドチェーン基盤の構築に取り組む。特に、近年の冷凍食品需要の高まりなどで、一部事業者では保管スペースが満庫に近い状況となっており、外部冷凍倉庫への再保管や複数拠点での分散保管が発生するなど、オペレーションが複雑化している課題の解決を目指す。
JFEスチールは、既存設備の解体撤去、基盤整備を進め、28年3月末までに日本GLPへ土地を引き渡す予定だ。同社は、沿道エリアなどの解体・基盤整備が扇島全体の土地利用転換を具体的に動かす起点となると捉えている。
