高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)、東京電力ホールディングス(HD)、東北電力、JR東日本の4者は25日、「基幹インフラを支えるエネルギー分野の人材育成・創出に向けた包括連携協定」を結んだ。基幹インフラを支える電気分野の人材育成・創出を目的に、公的機関と民間企業がそれぞれの強みを生かし、業界の枠を超えて地域の安全・安心な暮らしへの貢献に向けて新たな人材育成モデルを構築する。
電力需要の増加やインフラ設備の老朽化への対応、災害対応力の強化などにより、電気分野の現場を支える人材の確保・育成が課題となっている。技術者不足や高齢化も進み、特に地域の中小企業では教育設備や指導人材が不足していることから、同じ課題を抱える企業や団体が業種の枠を超えてタッグを組み、人材の育成に取り組むこととした。
JEEDが持つ全国規模の教育訓練ネットワークと、東京電力HD、東北電力、JR東日本の現場技術や教育資源を組み合わせ、基幹インフラ関連産業の人材の確保・育成を推進するとともに、エネルギー分野への人材の流入を促進する。産業全体の持続的な発展と、地域社会を支える人材基盤の強化に貢献する。
具体的に、▽エネルギー(電気)分野の職業訓練カリキュラムの開発▽JEEDの各職業能力開発施設における職業訓練の実施(在職者向けスキルアップなど)▽東京電力HD、東北電力、JR東日本の訓練設備・施設などを活用した職業訓練指導員の実地研修▽職場見学などを通じた訓練受講者の職業理解の促進▽就業促進に向けた情報交換・ネットワークの構築--の五つに取り組む。
産業界では、人材確保の安定化、技術力の底上げ、持続可能なインフラ運営基盤の確立の効果を期待している。地域では、インフラ維持体制の強化や雇用機会の創出、技術継承の促進、人材の地域定着に役立つ。職業訓練指導員の専門性向上や職業訓練の高度化にもつながる。
同日には、東京都千代田区の経団連会館で包括連携協定の締結式を開いた。
JEEDの輪島忍理事長は「新たな人材育成モデルを構築し、基幹インフラ関連産業の人材確保育成を推進するとともに、業種の枠を超えて次世代の人材育成を創出し、地域社会の持続的な発展、安全・安心な暮らしの実現につなげたい」と今回の狙いを語った。
東京電力HDの忍義彦常務執行役は「会社に入社する前の段階から人を育てる仕組みを構築する必要がある。ともに人材育成の裾野を広げることは極めて意義深い。一企業の人材確保にとどまらず、産業全体、日本経済の発展に貢献していく」と先を見据えた。
東北電力の荻野隆司常務執行役員は「東北地域では、広域にわたるインフラ設備を抱える一方、人口減少や少子高齢化が全国に先駆けて進展し、技術、技能を担う人材の確保育成が喫緊の課題だ。電力の安定供給を支える仕事は、地域社会や経済活動の基盤を支えるやりがいのある仕事だ。次代を担う若い世代の皆さんに仕事の魅力や価値を広く伝えていきたい」と述べた。
JR東日本の中川晴美常務は「一層実践的で高度な学びの機会を創出し、地域や産業を支える人材の裾野を広げたい。本協定を通じて、未来の基幹インフラを支える人材を着実に育成し、次の世代への技術と安全を確実につなぐ」と決意を新たにした。
この取り組みは、7月21日に閣議決定した「日本成長戦略」の、「エネルギー等の戦略分野等における人材育成のため、産業界とJEEDが協働した人材育成プロジェクト」の一環となる。

